○デ.ュ.ラ・ろぐ13(15話で静×帝前提臨→帝) | ナノ
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●15話臨也と波江で<静雄×帝人前提での臨也→帝人な話2010.05.01
…落ちぶれた、
あの胡散臭い雑誌記者に、テキトーな情報をくれてやって帰した後に、
「不機嫌ね?」
デスクに掛けて、窓の外を眺めながら、キイキイ椅子を鳴らす臨也に向けて、掛けられた…女の声に、ああ不機嫌だともと臨也は思う。
「…べっつにー・・・そんなこともないけど?…ねえ、」
波江さん―――と、
キイイ、とわざと大きく音を立てて、くるり、と椅子を回して振り返り、じいいっと女の顔を…その目を見つめてやりながら、にんまり臨也が哂ってやると、(バカバカしい事に)たかがそんなことにも気おされたのか、女の怯んだ気配がする。
「…ッ、・・・そう。…別に、それならいいんだけど・・・・?」
「うんうん、そうだよー?俺はさっきの彼の欲しがっていた、でも当たり障りのない情報をくれてやって、彼は欲しがっていた情報を手に入れた。…なーんにも問題ない」
「…ッ、・・・そう。…それにしては、」
ずいぶんと、機嫌が悪いようだけれど―――とそれでもわらってみせる、(…まあ強がって見せてるのもさ、悪くはないよねぇ?)女に向けて臨也は、
「…アハハ、そぅお?そう見えちゃったー?」
哂って返してやりながら、ああそうだとも、不機嫌だともと臨也は思う。…あの記者は、
ああそうだとも、あの記者は―――
ひどく、他愛無いとさえ言っていい、ひどくくだらない質問で、もうサイッコーに臨也の気分を、ひどく悪くさせてくれたのだ。
…だって、そんなの当然だろう?―――あの記者は、
ひどく忌々しい男の話を、臨也の前で持ち出してくれて―――お陰で臨也は、
あのひどく忌々しい男のことを、他人の都合で考えさせられる羽目になり―――あまつさえ、
…あの、
『しず、お、さん・・・・、』
ひどく、柔らかな――臨也には、決して見せたことのない――カオで微笑う少年が、誰の物かを、ということを、臨也に思い起こさせてくれたのだから。(…んー…ま、)
(…まあ、いずれはね・・・?帝人君には―――)
臨也の物になってもらう気では、重々臨也はいるのだけれど。