※身内ネタ
名前を呼んで、応えて、押し倒して、なんて言うのが普通の愛し方だと言うのなら俺らの愛は途轍もなくゆがんでいる。或いはそこに愛なんてものは存在しないのかもしれない。
名前を呼んで、否応なしにその身を白いシーツに沈めると、氏瀬君は当たり前のように交戦的な視線を向けてくる。それが可笑しくて、堪らなく絶笑してしまった。
「なにが可笑しいんだよ。この変態養護教諭」
「何って、氏瀬君のその反抗的な目があまりにも可愛らしくて笑っちゃったんだよ」
「悪趣味」
「ははっ、それは光栄だ!」
さて、どうやっていためつけてあげようか。
レイプ? そんなものは俺の趣味じゃない。プライドの高そうな氏瀬君が自分から堕ちてくれるように、じわじわといためつけるようないじめ方をするのが真のサディストってもんだ。
氏瀬君の両手首を纏めてベッドに押さえつけ、無防備な鎖骨に噛み付く。噛み跡に舌を這わせながら空いた右手で脇腹をさすると、一瞬にして大人しくなってしまった。ほら、カンタンだ。
「力、抜けちゃった?」
「……うるさい」
「焦らされるのも悪くないって思ってるでしょ」
「……だまれ」
「素直じゃないねぇ。そういうところが氏瀬君らしいんだけどね」
「だまれ。死ね」
押さえつけた両手首にじわじわと力を込めると、氏瀬君は苦痛に顔を歪めた。痣ができるくらいまで力を込めると、ついには泣き出しそうな表情になった。それは明け透けの虚勢であったのだと、俺には容易く見破れた。
「もっと愉しいことをしてあげる。氏瀬君のほうから堕ちておいでよ」
苦痛と快感は紙一重であると、その体に厭と言うほど刻みつけてあげよう。