※身内ネタ
「ひつ君じゃないの。いらっしゃい。相変わらずサボりにきたわけ?」
「……ちがう、今日はちょっと頭が痛くて」
「ふぅん。まぁなんでもいいや。いつものベッドは開けてあるし、一応熱計りなよ」
いつものように突然保健室にやってきたひつ君は頭が痛いと言うだけあって若干顔が赤い。いつものように同じベッドへとひつ君を促し、その口に体温計を咥えさせてやると俺はひつ君の横たわるベッドの淵へと腰をかけた。
「どう?計れた?」
「……37度5分」
「ああ、微熱だね。一応安静にしておくが吉」
ひつ君の手から体温計を受け取ろうとした時、伸ばした手を引き寄せられてひつ君の唇が僕のそれに重ねられた。ちゃっかり絡められた舌は熱のせいで普段よりも熱い。
「ねぇ、頼センセ。セックスしようよ」
唇が離れると、ひつ君はそう言って口角をあげた。
「安静にしておくが吉って今さっき言ったばっかじゃん」
「熱があるときって余計にシたくなるもんなの」
「……ひつ君は誘うのがうまいねぇ」
今度は俺のほうからひつ君に口付ける。唾液を混ぜ合うような、深く深く絡み付くキスの合間に、ひつ君のワイシャツの下へと右手を潜り込ませて胸の辺りを弄る。
「頼センセの手、冷たい」
「ばぁか、俺の手が冷たいんじゃなくてひつ君の体が熱いんだよ」
元々少々高かった熱のせいだけではなく、ひつ君の体は行為そのものによってどんどん熱くなっていく。そのまま肌を弄り続けていると、ひつ君は聞こえるか聞こえないかの声音で「気持ちいい」と呟いた。
「ひつ君、なんかエロい」
「あはは。ムラムラしすぎて頭痛どっかいっちゃった」
「なんか俺までムラムラしてきた」
「そうこなくっちゃ」
そう言って笑ったひつ君の目は娼婦のようでもあり、どこまでも好奇心旺盛な子供のようでもあった。
ああ、いっそのことその目を飴玉みたいに口の中にいれてしまいたい。