※軽くEDネタバレ


















深い深い闇の中。
気づけばそこにいた。
水の上に浮かんでいるようなあの独特な浮遊感にただ身を任せていた。試しに身体を起こそうとするが、鉛のように重く動かない。しかし今はそんなことは正直どうでもいい。


そうか、僕は…


そうぼんやり考えているうちに、身体は、意識は徐々に沈んでいく。


十七年か…意外と短かったな


今頃仲間たちは抜け殻になった自分の身体を囲いながら涙でも浮かべているのだろうか。その様子を容易に想像できるのだから自分にはあの世界に心残りがあるのだろう。

らしくもなくそんなことを考えていると、今まで一面闇であったこの空間に一筋の光が差し込む。暗い空間に目が慣れていたからか、より一層眩しく感じた。

目を凝らして見ると、誰かが此方に近づいてきている。目が光になれてきた頃にはソレはかなり近くまでいた。

紅い瞳が特徴の少女だ。身なりからして歳は同じぐらいだろうか……。
縛られたかのように動かない身体を何とか動かし少女の腕を掴む。何故かこの少女に触れたくなった。弱弱しく掴むと紅の瞳が見開く。大きく開かれたそこには僕の顔が映る。


紅い女の子と蒼い僕


対象な僕らがこんな形で会うのはもしかしたら運命なのかもしれない。

そうだとしたら出来るだけ彼女の顔を心に焼きつけたい。しかしその願いとは裏腹に目蓋が重くなる。

手に温もりが訪れる。ふと少女が自分の手を両手で握っている。
すっかり冷たくなってしまったそれには彼女の体温が心地よかった。



おやすみなさい



少女は微笑みながらそう言ったのを引き金に、


僕は眠りに落ちた。



永遠の安らぎに包まれて

僕の物語は終わった
さあ、次は君の物語の始まりだ


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