発売前
R15ぐらい?










シーツに広がる柔らかな髪、紅潮する頬、自分を映す海色の瞳、ワイシャツの裾を掴む私より一回り小さな手、緊張か羞恥かいつもよりほんのり桃色に染まる手足。
こうして触れる度、ピクッと反応する貴女が本当に愛しい。

「ふふっ」

突如、鈴のような笑い声が聞こえ、顔を上げると彼女の口元が弧を描いていた。丸い頬を赤く染め、海のように蒼い瞳を細める姿に身体中が熱くなる。

「…どうしたんですか?」

顔を近付け、吐息混じりに尋ねる。

「ガウェイン、最近優しい顔するようになったなと思って」

もっと見たいわ、回していた私の首から手を離し、顔を覗きこむように両頬に手を添えた。

「それなら、貴女も見せてください。」

太股を撫で上げると、甘美な声が部屋中に響き渡る。その声に口の端を引き上げる。

「私の知らない貴女を」

私の頬に添えてあったリディアは力が抜けたのか、掴む場所を失ったと訴えるかのように空気を掴んでいた。その姿が虚しく愛しく思え、指と指の間に隙間が出来ないように手を繋ぎ、指を絡ませる。

「愛しています」

行為に溺れている今の貴女にこの言葉が届いているかは分からない。もし届いていないのなら何度でも言おう。貴女しか知らない私の声で。




title by確かに恋だった
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