ナギx春歌

(遅いなぁ……。)


ナギは再度腕時計を見る。待ち合わせをしていた時間より十分ほど過ぎていた。


(メールをしようかな……。)

そう思い、取り出そうとした途端、


「なっナギくん!」


正面から約束をしていた本人が走ってきた。無事に僕のところまで辿り着き、肩で呼吸をしている。


「おーそーい、まったくいつまで僕を待たせる気?」


って言っておきながら僕自身も待ち合わせ時間丁度に来たから実際あんまり待っていないけど。


「…はぁ…はぁ……す…すみません………」


「で?何で遅れたの?」

こちらにはそれを聞く権利、あるよね?


「じ、実は。ST☆RISHの新曲の合わせが長引いてしまって…………」


すみません。と再度謝られる。ST☆RISH、ね。


「ふーん、僕より彼らの方が上なんだ?」


「そっ、そういうわけじゃっ…本当にごめんなさい……。」


おっ、焦ってる焦ってる。ちょっとからかっちゃお。


「じゃあ証明してよ。」

「へ?」


「君が僕を好きって証拠。」


「え?」


一気に春歌の顔が真っ赤になる。僕より年上なのにこういう時は僕の方が優勢だ。じゃ、じゃあ。と顔を赤らめながら顔を寄せてくる。


「んっ………」


「…………。」


一瞬、触れるだけのキスをする。それだけなのに唇に熱をもつ。真っ赤な顔して僕に聞く。


「ど、どうですか?」


「まぁ、合格かな。」


余裕ぶっているが心臓がどきどき煩くなる。悔しいので背伸びして春歌の柔らかい頬にキスをする。すぐに驚いた声が聞こえてくるが、春歌の唇に指を置き、しーー、近所迷惑になっちゃうでしょ?と黙らした。大人しくなった春歌の手を取る


「じゃ、行こうか。」


「はい!」


そのまま歩き出した。

あざと……一枚上手な彼との待ち合わせ





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