リクエスト13.「ミカサが女の子たちに嫉妬」
私の親友の、ミカサ。
あらゆる点で完璧、たぶん首席で卒業するだろう彼女と、なぜこんなに仲良くなれたかといえば、…正直わからない。
別に、ミカサの幼なじみであるエレンやアルミンとも私は仲良くはないし、共通の友人もいない。
けれど、確実に私は彼女の親友だったし、彼女を大好きだった。
しかし、そんな完璧な彼女に一言言いたいとしたら、…これ。
「ねえ、ちょっと聞いてもいいかな」
「あ、なあにクリスタ」
「…クリスタ、私が聞こう」
「え?み、ミカサ?」
「……?」
「そのパン食べないんですか!!
なら、私にください!」
「サシャ…えっと」
「サシャ、彼女のパンは彼女のもの。
だからあげることはできない」
「ええー…」
「……」
「おい、お前シャツの襟上がってんぞ」
「あ、エレン。本当?直さなきゃ…」
「エレン」
「何だよミカサ」
「彼女の襟は私が直す」
「はあ…?いや、別に勝手にしろよ」
「教えてくれて、助かった」
「…何でお前が礼を言うんだ?」
「……」
いくつか言いたいことはあるが、ミカサはとにかく私の他人と接触させないのだ。
申し訳程度に思い出したエレンとのエピソードはまだいい。
彼女はなぜか私がミカサ以外の女の子と関わるのを嫌がる。
「ミカサ、私…ミカサ以外の友達もほしい…」
「…?何を言っているの。
クリスタも、サシャも、ユミルも、アニも、あなたの友達」
「ミカサは…?」
「私は大親友。
だから、私はあなたを守るし、あなたの助けになる。
それが普通」
「う、うーん…」
「あなたは気にしなくていい。
私の傍にいてくれれば、それでいい」
「……そう、なのかな」
「そう、その通り」
ミカサが言うなら、そうなのだろうか。
わからないけれど、とりあえず今の私に、ミカサから離れるという選択肢はない。