※OVA「イルゼの手帳」がハンジPVだったので(漫画さえ読んでれば、ネタバレはなし)
※巨人主(知性はないけど意志はある意味不系)
※時間軸など色々無視
※ひらがな多用
「調子はどう?変わりない?」
「アー…ッ」
「分隊長、危険です!」
「ゥアー…」
「うん、君ってば妙に女の子らしいね!
なんか微妙に胸あるし!
巨乳じゃん、触ってもいいっ!?」
「グアッ!」
「わっ!危ねえっ!」
「分隊長!」
「大丈夫だって、モブリット!
頭噛まれそうになったくらいで死なないって」
「噛まれたら死にますよ!」
「あっはは!本当に君かわいいね!
よし、名前はなまえだ!決まり!」
「分隊長っ!!」
巨人なので捕まった
このまえ、お外であそんでいたら、いつものおうまさんにのった、ちょーさへーだんの人たちが、かべの中からでてきたの。
だから、たべたいなあ、とおもって、たくさん人があつまっているところにいったら、たくさんくぎみたいなものをさされて、わたしつかまっちゃった。
わたしはかべの中につれていかれて、みうごきひとつできないくらいに、からだをこていされている。
いたいなあ、つまんないなあ。
わたしのまえで、いろいろはなしているこの人は、ハンジっていうらしい。
この人は、みんなとはちがうみたい。
みんな、ちょーさへーだんの人たちは、わたしたちをきらうけど、ハンジはわたしがすきみたい。
ハンジはわたしをよく見てくれる。
みんな、わたしたちは男だけだとおもっているけど、わたしはちゃんと女の子。
なまえなんてかわいいなまえももらえて、うれしいなあ。
ハンジはとてもやさしい。
わたしがねむるために、おひさまのひかりをさえぎってくれるし、わたしがねるまで、そばにいてくれる。
ごはんはたべさせてくれないけど、たくさんはなしかけてくれるし、わたしがあたまをかじろうとしても、おこらない。
ハンジのことはすきだから、たべたくないけど、ハンジをみると、どうしてもおくちがうごいちゃう。
だから、いつもハンジのそばにいる、あいつはきらい。
いつも、きけんです!しにますよ!っていって、わたしからハンジをひきはなす。
あ、だけど、たまにハンジはなきながら、わたしのからだをいためつけてくることがある。
とってもいたくて、たくさんさけぶけど、ハンジはやめてくれない。
だけど、おわればまたハンジはやさしくしてくれるから、やっぱりハンジがだいすき。
わたしはたえる女なのよ。
「なまえ…、君は、何で人を食べるんだい?」
おねむのじかん。
うとうとしているわたしに、ハンジがこえをかけてくる。
「アー、ウアー…」
「ん?何、何!?」
はなそうとしても、はなせない。
おはなし、したいな。
ハンジとおはなしできたら、たくさん、ハンジがしりたいこと、おしえてあげられるのにな。
「ンガッゥ!」
「おっと!危ねっ!」
ハンジがわたしのこえをきこうとして、ちかづいてきたから、おもわずたべようとしちゃう。
「はは、なまえは本当に食いしん坊だね。
でも、私は食べさせてあげないよ」
ハンジは、なんどわたしがこんなことをしても、まいかい、わたしのことばをきこうとしてくれる。
やさしいな、ハンジやさしいな。
ごはんはすき。
でも、ハンジはたべたくないな。
ああ、なんだかねむくなってきちゃった。
「…おやすみかい?」
「ウー…」
「うん、よく頑張ったね。おやすみ、また明日」
やだ。
いっちゃやだよ、ハンジ。
そばにいて。
「アー…アー…」
「ん?何?何か言いたいの?」
ハンジが、わたしのくちもとに、みみをよせてくる。
だめだよハンジ、そんなことしたらたべちゃう。
ぎゅうっ、とかおをしかめて、くちがうごくのをおさえる。
「なまえ…?」
「ウー、ウガァ、ゥ」
「なまえ、何だい?ゆっくりでいいよ、大丈夫」
ハンジはほんとうにやさしい。
わたし、しってるよ。
ほんとうは、ハンジがだれより、わたしたちをうらんでいるの。
でも、わたしはハンジがだいすきだよ。
みんなのためにがんばって、わたしにもやさしくしてくれるハンジが、だいすき。
「ウァー」
「もしかして、私に行かないでほしいの?
ここに、いてほしいの?」
「ガァ」
ハンジがもっとちかづいてくる。
だめだよ、おくちがうごいちゃう。
ハンジをたべないように、おもわず、したをむく。
「…っ!?」
ハンジが、ざざざっとあとずさった。
もしかして、わたしのきもちがつたわったのかな。
「頷いた…!?」
ハンジが、とってもおどろいたかおをしている。
さあっと、かおが、あおくなって、ハンジはいきなり、ペンとかみをもって、なにかをかきはじめた。
「すごい…すごいよ、なまえ…!
私は今、歴史的瞬間に立ち会ったかもしれない…!」
よくわからないけど、ハンジはよろこんでいるみたいだ。
だったら、うれしいな。
「なまえ!わかった、ここにいるよ!
今晩は一晩中、君のそばにいるから、安心しておやすみ」
ハンジが、こんどはかおを、まっかにして、わたしにそういってくれた。
そうすると、だんだんわたしもねむたくなってきて、こくりと、ねむりにおちた。
あさおきる、おひさまがまぶしい。
ハンジのこえがきこえる。
「ハンジ分隊長!あんた本当に死にますよ!」
「大丈夫だよ、ちゃんと起きてたから!
それより聞いてよ、すごいんだよモブリット!
もしかしたら私は、イルゼ・ラングナーに次いで、二度目の巨人との意思疏通をしたかもしれない!」
「分隊長、今はそういう話ではなく…!
「だってすごいことだよ!
なまえは私の、ここにいてほしいのかって問いに対して、頷いたんだ!」
「分隊長…」
「偶然かもしれない、見間違いかもしれない。
それでも、これは同時に、人類にとって、かけがえのない情報になるかもしれないんだ!
これは、私たちが巨人を絶滅させる、手立てになるかもしれない」
「ウガァ!!」
「わっ!なまえ、びっくりした…!おはよう!」
「グ、アガッ」
ぜつめつ。
しっていた、しっていたよ。
でも、めのまえでハンジのくちから、そのことばをきいたら、すごくさみしくなった。
「ウ…」
「どうしたの、なまえ?
なにか、悲しいことでもあったの?」
「ンガァーッ!」
「何?ん?」
「分隊長、危険です!」
「グァ!」
「うわ、あっぶねえ!」
ハンジは、私を愛してくれない。
私はこんなに好きなのに、人間なんて好きにならなければよかった。
好き、大好き、人間になりたい。
人間になって、ハンジとお話ししたい。
だけどそれは叶わない。
「なまえ〜、機嫌直してよー」
ハンジが、わたしにちかづいてくる。
あの男が、ハンジをまたとめようとするけど、そんなこえはむしした。
がちん、とあたまをかじろうとする。
あぶねえ!といいながら、にげるハンジをみてあんしんする。
ハンジが、いつかわたしをころしてくれないかな。
いつか私を、殺してくれないかな。