「エルヴィィィィィィン!!!リヴァァァァァァァイ!!!ありがとう!愛してるよおおおひゃっほおおおおお!!!!」

「やめろ、気色悪い」

「はは、リヴァイの言う通りだな」

「あっはは、ひっでえ!!」





7.5上司に感謝をする







「あ、エルヴィン!
これ約束のお酒ね、リヴァイも飲んで!」

「ああ、ありがとう。ありがたく、頂くよ」

「…は?ハンジ、てめえ酒なんざどこで手に入れた」

「え?普通に買っただけだけど。安物だしね」

「安物を私に飲ませる気かい、ハンジ?」

「あはは、エルヴィン怒らないでよ!
まあ、そんなものでしょ、味は悪くないから」

「そうか」

「で、リヴァイ!リヴァイは何がいい?」

「待てハンジ…、話が見えねえ」

「え?」

「何がいいって、そりゃあ…なんの話だ」

「だから、お礼だよ。協力してくれた」

「協力?」

「…あれ、エルヴィン?」

「すまない、話忘れていたよ」

「ええー!?
…いや、その笑い方絶対わざとだろう」

「はは」

「絶対わざとだ!
うわあ、リヴァイ、巻き込んでごめんねー?」

「誠意が足りねえ、やり直せ。
…いや、だがその前に、こりゃなんだ。
一体どういうことなんだ」

「え?ああ、実はさ、エルヴィンに協力してもらったんだよねー。
なまえの心を砕くの」

「……は?」

「あの子本当に馬鹿でさあ!
未だに両親か誰かが助けに来てくれるって、それを希望にしてたらしいんだよねえ!
まあ、実際今必死に探してるんだろうけど、憲兵はちょっとお金をちらつかせれば、まともに働きはしないからね。
運がいいことに、まだ憲兵はまともに捜索してないらしいから、あんな街中で豪快に誘拐事件起こしたにも関わらず、私の犯行だとは気づいていないらしい。
いや、気づいて放置なのかもね。
誘拐されたのが本当に貴族ならともかく、自分たちに融資するでもない、没落貴族のお嬢様なわけだし、そんな子のために私みたいな変人に関わりたがるような正義感強いやつが憲兵団にいるとは思えない。
ま、どっちにしろ、私は彼女に、外に出たところで、誰も助けてくれないんだよ、ってことを教えたかったんだよ。
だから、あんなに不自然なまでに、そりゃあもう逃げてくださいと言わんばかりの状況を作ったのさ!
そうしたら、案の定なまえってば不思議には思っていたみたいだけど、私の狸寝入りにも気づかず、逃げ出しちゃった。
私、逃げちゃだめだよ、って教えてあげたのに!
でも、本当にエルヴィンやリヴァイに言われたことがショックだったのか、いきなり萎縮するようになっちゃってさ!
何て言ったのかは最初からは聞けていないんだけど、でも途中からは聞いてたよ!
二人とも、なんかすげえ私のこと誉めるんだもん、照れちゃった!ありがとうね!
あの程度で心おれるなら、もっと早く折れればよかったのになあ。
何でだろ、やっぱり複数人に、しかも団長に人類最強に言われたら、心に突き刺さるのかな。
まあ、でもあの子の両親には悪いことをした。
だけど、婚姻は済ませるために、妹だか、姉だか、いとこだか、姪だか……とにかく、親戚のなまえのそっくりさんを、そのまま結婚させるらしいよ。
なんだそりゃ、って話だよね!!
やっぱり、なまえをたかが道具としか見ていなかった!あんまりだ!
あの婚約者も婚約者だよ、あいつ結婚が決まりながら他の女といちゃついてた!
そりゃ、政略結婚さ、愛はないだろう。
でも、なまえはね、あの日すれ違ったあの瞬間から!彼女は私の大切な女の子だった!
だから、イライラしてさ。
ちょっと色々してやった、思いの外返り血を浴びてしまったのは予想外だったけど…ああうん、大丈夫だよ、殺してはない。
さすがに私はそんなことはしないよ、彼も"人類"だからね。
半殺しすらしていない、手は抜いたから。
とにかく、彼女はこれである程度外に絶望しただろう。
あとは私の仕事だ、私の傍で私の人形でいることが、いかに心地いいのか、思い知らせてやる。
…ってことで、エルヴィンにはお礼にお酒をあげたんだけど、リヴァイ。
君は何がほしい?」

「……酒ひとつで、あの女は売られたのか」

「酒のためだけに協力したわけじゃないさ」

「…ハンジ、礼の前に謝罪だ。
俺を面倒ごとに巻き込みやがって…」

「仕方ないなあ、最新お掃除グッズで、許してくれない?」

「……悪くない」




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