リクエスト22.「神格化型ハンジさん」
※ヤンデレシリーズの神格化型はハンジさん
※学パロ
「見てよリヴァイイイイイイイイイイ!!
めっちゃかわいいいい天使いい女神いいいい」
今日も隣の奇行種がうるさい。
おいエルヴィン、てめえだけこの通勤通学ラッシュに一人で座りやがって。
しかも優雅に本なんざ読んでんじゃねえよ、てめえもこの不潔女の相手しやがれ。
「うわああああ何あれ絶対あの髪いい匂いする。
めっちゃ舐めたい!!」
「汚えな」
奇行種の目線の先には一人の女子生徒、おそらく同じ学校の下級生。
こいつはこう言っているが、別にその女は容姿が優れているわけでもなければ、髪はおそらく整髪剤をつけすぎている。
寝癖でもあったのかどうか知らないが、汚すぎて、舐めるなんざへどが出る。
「って言うかさ、何あの立ち振舞い!
座ってるだけなのに、あのオーラ!!」
別に普通だが。
…いや、慎みが足りん、もっと足を閉じろ、みっともない。
「あ、笑った!かわいいいいいい!!
何なんだろうね、あれかわいすぎるよ!」
笑うのは構わん、だが電車内だぞ、もっと声量を下げろ。
…そこの奇行種、てめえもだ、声がでけえ。
「ああ、彼氏とかやっぱいるのかな…。
いるよねえ、あんなかわいいんだもん。
でもさ、もし彼氏と一緒にいる現場とか見ちゃったら私、生きていけないよ…」
なら死ね。
「あああ…どうしよう」
「ハンジ、ならもう思いきって告白でもしてみたらどうだ?
案外、上手くいくかもしれないぞ」
「エルヴィン…簡単に言うけど、そんなの無理だよ。
私女だし、そもそも男でも、そんなおこがましいことできないよ…!
彼女は女神なのに……!」
「…チッ」
「ん?なんだい、リヴァイ。
朝から舌打ちなんかしちゃって」
誰のせいだと思ってるんだ。
「大体、話したこともなければ名前も知らねえ女に、よくもそんな夢中になれるもんだな」
「わかってないなあ、リヴァイは。
あんな天使他にはいないよ!?
すばらしいよ、彼女は!」
「……はあ」
ため息をつく。
同時に感じるあの女の視線。
ハンジは女を崇めるのに夢中で気づいちゃいねえが、その女もたびたび、ハンジをこうして見つめている。
万が一、俺が名も知らぬあの女と話す機会があれば、こう言ってやりたい。
女よ、お前が今しているのは至上最悪の恋だぞ、と。
「リヴァイ先輩、かっこいいなあ」
「え?またリヴァイ先輩?懲りないなあ」
「だって、かっこいいんだもん」
「でも、だめでしょ。
だって先輩、絶対あの眼鏡の先輩と付き合ってるもん。
いっつも一緒だし、眼鏡の先輩もめっちゃ楽しそうに話してるし、リヴァイ先輩だって何気にちゃんと聞いてるし」
「だよねえ…。
それに私、最近眼鏡の先輩にめちゃくちゃ見られてるんだよね」
「あー、それは嫉妬されてるんだよ。
やっぱ、気づくもんだね、人の気持ちにも」
「だね…ああ、やっぱ諦めるしかないかあ…」
「それがいいかもね。
よし、失恋祝いに、私が何か帰りに奢ってやろう!」
「祝いってひどいなあ…」