リクエスト17.「巨人化したらミカサに監禁された」




エレンが、巨人化した。

色々あったらしいが、私は噂程度しか知らない。

彼は結局、審議の結果、調査兵団入団となったので、結果として彼の希望が叶ったことは喜ばしいが、とにかくそれまでが大変だったようだ。

ところで、いきなりカミングアウトすることではないのだが、私は巨人になれる。

もちろん、人間を食べたりしてはいない。

本来なら、私もエレンのように巨人の力を行使して戦うべきだったのだろうけど、いかんせん使い方がわからない。

私は結局誰にもそれが言えないまま、調査兵団に配属されたわけだが、エレンを見て、私もエレンのように調査兵団のもとで計画的に、巨人の力を行使すべきだと思った。

とはいえ、すぐすぐ団長の元へ向かい、カミングアウトする勇気なんてない。

なので、まずは同期で親友であるミカサに、私は打ち明けることにしたのだ。

これが、全ての間違いだった。



「ミカサ…!ミカサ、出してよ!」

「それはできない…」

「何で!」

「あなたは弱い。ので、私が守らなくてはならない

「なら、壁外で守ってよ。
エレンをリヴァイ兵長が守るように、ミカサが私を守ってよ…」

「…あのチビは、調子に乗りすぎた。
あなたをエレンのような目に合わせるわけにはいかない…」

「何を言っているの?わからないよ…」

「私は、あなたをあんな目には合わせない。
それに、私はあなたに戦えるようには思えない」

「戦えるよ…!
そりゃ、首席のミカサには敵わないよ、でも私には力があるの。
この力は、みんなのために、使わなきゃ…!」

「……私は、エレンを守る」

「知ってるよ…」

「でも、あなたも守る。
けれど、二人同時に守るのは、現実的じゃない。
ので、私はあなたを確実に守るために、閉じ込めた」

「それがわからないの!
なんで、こんな…おかしいよ……」

「おかしい?おかしくなんてない…。
家族と、友人を守りたいと思うのは、普通」

「守りたいと思うのは、普通だよ。
でも、だからって閉じ込めるなんて……!」

「私も、手荒な真似はしたくなかった。
でも、これがあなたを守る、唯一の手段。
致し方ない」

「ミカサ…!」

がくんと自分の身体が崩れ落ちるのがわかった。

涙が溢れる。

どうしても、彼女には伝わらない。

「ミカサ…、こんなの、やだ…」

「わがままを、言わないで。
私がきちんと、お世話してあげるから」

私はまだ、ただの平凡な新兵に過ぎない。

もし、私が巨人化できると知られていれば、きっと死に物狂いで探してもらえる。

けれど、今の私を、誰が探してくれるだろう


たまたま見つかれば、まさか助けてもらえるだろうけど、その"たまたま"っていつなんだろう。

気が遠くなる。

私は、不思議そうに私を見ているミカサの視線を感じながら、ただ泣き崩れるしかできなかった。



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