呉羽さんより夢小説頂いてしまいましたvvDWNバーの話です。
がっつりわたしの名前が出てますので苦手な方は注意を
呉羽さん、ありがとうございます!悶えました!






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◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「クイック、済まないが……そこにある毛布を敷いてくれないか?」



今夜もお店でハゲの迎えをスタッフルームで待っていたら、突然入って来たメタルにそんな事を頼まれた。
訳が分からない侭に毛布を敷くと、そこに寝かされたのは時々お店に来てる"常連さん"で。
真っ赤な顔して眠っている"お姉さん"を見て、俺は慌てて愛用のクッションを"お姉さん"の頭の下に、膝掛けをお腹の所に掛けてあげた。



「どうしたんだよ、お前が"お客さん"の体調とか見抜けねえなんて……らしくねえじゃん?」



完全に酔い潰れてる。
こんな風に酔い潰れる迄『呑ませたりしない』、し……泥酔状態にして"ぼったくる"様な店じゃ無いからか、「本当に此処で呑む時が一番安心だわー」とか言ってくれる"お客さん"が多いのを知ってるだけに、兄機体達が揃っていてどうして?
……と思ってしまう。



「元々、違う店で呑まれていたのは気付いていたのだがな……度数の低いカクテルを作って提供したのだが……」

「したのだが?」

「普段からリキュールベースのカクテルを呑まれていたから、リキュールベースを選んでお作りしたのだが……どうやら裏目に出てしまったらしい」

「うらめ?」

「……………幾ら度数の低いカクテルとは言え、"ちゃんぽん"すれば酔いも回り易いだろう」



そう言って『はあ』って深い溜め息を吐いたメタルを見て、俺は漸く意味が分かって『うわ』ってメタルの肩に手を乗せた。


良かれと思ってした事でも、逆に悪い方になっちまう事って有るよなー…と思う。
きっと……この"お姉さん"、酔いたい気分だったんだろうなってのも思うし。


そう言葉を繋げて、紅く染まってしまってる"お姉さん"の額に冷やしたタオルを当ててみる。
でも……やっぱり意識は戻りそうに無い、『こりゃあ…当分起きそうにねえな』って思ったまま口を開くと……。



「加えてフラッシュから連絡が有った、『仕事場で急用が出来て迎えに行けない』んだそうだ。
……雅さまがこんな状態だし、今夜は彼女も連れて基地に戻ろうと思う」

「へ?
ハゲ、来ないの……って言うか、"お姉さん"の家……なんて知ってる訳ねえか……うん。
そうだよなー……此処で寝かしとく訳にはいかねえもんなー……」

「済まないな」

「良いよ、えっ…と"雅さん"だっけ?
きっと安心して酔いたい位、パアッと忘れたい事とか有ったんだろうし……それが、雅さんにとって"この店"で……しかも"メタルが作ったカクテル"だったって事だろ?
それってさー…すっげえ光栄な事じゃん!
……こんな風に思ってくれてる"お客さん"は大事にしなくちゃいけないだろ?」



そう繋げて、ニカッとメタルに笑うと……メタルも漸くホッとした表情を浮かべて。
ならば俺も帰る準備をしよう、って服を着替え始めるのを眺めながら……取り敢えず、帰ったら雅さんの布団をリビングに敷くか……踏まれる事が無い様に、俺達の部屋に敷くべきか……そんな事を俺はのんびり考えていた。



(終)


もひとつメタル夢vv





◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇



「どーもー、お久し振りです」

「嗚呼…お久し振りですね、雅さま。
その後お変わりございませんでしたか?」



そう『にこり』と微笑み掛けると、雅さまは『あー…何から話せば良いのか』と苦笑を漏らしている。
話せる範囲で構いませんよ、と伝えながら…取り敢えず"おしぼり"と"お通し"を雅さまにお出しする。
因みに今夜の"お通し"は、南瓜のムースだ。
南瓜の味をそのまま活かし、甘さも控えめだが滑らかな舌触りが楽しめる素朴な味わいとなっている。
弟達にも好評な一品で、何と無く多めに作った時に店でも出してみて……妙に受けが良いからか、気付けば良く作る様になった一品だったりする。



「おお!
今夜も何か凝ってますねー!…じゃあ、先ずはカンパリ・ソーダを頂いても良いですか?」

「カンパリ・ソーダですね、畏まりました」



そう言って、早速オーダーのカンパリ・ソーダを作っていると……雅さまは今夜も変わらず、作られていくカクテルを楽しそうに眺めていたが……。
突然『あ』と、何かを思い出した様に呟いた。



「そう言えば……私、今日は未だ夜ご飯食べて無かった」

「え、それはいけませんね。
何かお作り致しましょうか?」



カンパリ・ソーダをお出ししながら尋ねてみたが、『うーん…どうしようかなー』と何やら考え込んでいて。
『ならば』と、俺は雅さまに一つの提案を出した。



「今夜のお勧め料理をご用意致します。
食べ易く少量に盛り付け致しますので……それならば、この時間に食しても胃に持たれないかと思うのですが…如何でしょうか?」

「因みに、今夜のお勧めって?」

「今夜は……"筍ご飯"に"鯛のあら煮"、"ワカメの味噌汁"に"新玉ねぎと胡瓜の酢の物"ですね」

「じゃ、それ!」

「畏まりました」



カンパリ・ソーダを呑みつつ、お通しの"南瓜のムース"を頬張っている雅さまを見ていると……まるで今は基地で留守番をしているクイックと居る様な錯覚を覚えてしまう。
くすくす笑いながら、少なくも見た目良く盛り付けていると……雅さまは『凄いですねー』と、楽しそうに笑っている。



「何がですか?」



盛り付けも終わり、雅さまに料理をお出ししながら尋ねると……雅さまは『これ』とお出しした料理を指差して言葉を紡いでいく。



「何時も思ってたんですけど、此処って料理も本格的ですよねー。
金額もそんなに高く無いし、お酒も美味しいし……どうするとこんなに出来るのかなあ、と」



へへっ、と。
人懐こい笑みを浮かべて『頂きます』と手を合わせている雅さまに、『どうぞ』と微笑みを浮かべながら…ただ思うままに言葉を紡いでいく。



「そうですね……沢山ある店から『ウチが良い』と来て頂いている皆様に、少しでも喜んで頂ければ…そう思いながらお店を開いているから、でしょうか?
……野菜は弟が育てた野菜を使っておりますし、今夜の鯛は……悪友が捕って来た物を頂戴したので、それらに時間と手間を掛けて料理すれば低料金でご提供出来ますし……恐らくそれで、では無いかと」

「悪友?」

「はい、悪友…ですね。
何時もフラフラと現れては、またふらりと消えてしまう…それ位の悪友ですが」

「ふーん、凄いっスね。
その人……海に潜って捕るんですか?」

「ええ、そうみたいですよ。
先日も……大きな海老を捕って、フォルテ…私の離れた弟ですが、その子と仲良く焼いて食べたそうですし」



『その内、本当に沈んで錆びるぞ』と呆れながらに受け取ってはいるが、本人にとっては日頃の礼の様なものらしい。
店を始めてからは、時々……そう本当に時々だが、ブルースは海で捕ったらしい魚や海老や蟹や貝を持って来てくれたりする。
因みに野菜はウッドの畑から、茸や山菜はシャドーが摘んで持って来てくれるのを使っていたりするので……恐らく、何処の店よりも低コストで営業出来ていると言う自覚は有るのだが。



───……一応、相場に合わせた金額に設定していると思っていたが…それでも低料金だったのか。
余り余所の店に睨まれる様な営業をしているつもりは無いが、一度…近くの店にも挨拶がてら覗いてみるべきか?



そう考え込む俺の前で、雅さまは『あら煮ー』と嬉しそうに頬張っている。
頬張ってる表情や、姿はやはり愛おしい恋人に似ていて……俺は彼女をイメージしながら、彼女が安心して呑めるアルコール度数、かつ甘口のカクテルを作っていく。
きっと今夜はこのカクテルで打ち止めになるだろうから、久し振りに顔を見せて下さった彼女に……せめてもの感謝の気持ちと心を込めて。



リキュールをベースに作るこのカクテルは、甘酸っぱくて口当たりは円やかな可愛らしい味わいになっていると思う。
何度か試しに作っていき、漸く納得のいくカクテルになった…そんな俺のオリジナルだ。



───……さて、雅さまはお気に召して下さるだろうか?



何も知らずに『何というカクテルなのか』と尋ねられたら、このカクテルの名前を告げようと思う。


【雅-Miyabi-】と言う、彼女と同じ名前のカクテルを……。
知った時の彼女の反応を見るのが楽しみだ、俺は人知れず微笑んだ。



(終)



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