※夢です
※管理人の名前でてます
※苦手な方注意








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「あああぁぁぁ…疲れたー、会社…マジ爆発して欲しい!もうヤダ!!!!」


カウンター席で突っ伏している女性は、ここ最近良く来店して下さるお客様だ。
何処の会社もそうだが、世知辛い世の中だからな……恐らくその小さな体で、背負い切れない雑務に追われているのだろう。



何時もは嬉しそうに好きなモノの話しや、愛犬の写真を見せてくれる彼女が、今夜は余程堪えているのか……少し泣きそうな、怒っているような…そんな曖昧な感情を持て余しながら、ただただ注文を忘れて突っ伏している。


俺は少し苦笑気味に『お客様』と声を掛けた。


「あ、ゴメン!
まだオーダーして無かったですよね、えーと……」


慌ててメニューに視線を向ける彼女に、


「いえ、差し支え無ければ…今夜は私に任せて頂いても宜しいですか?
……と、申し上げたく」


と言葉を紡いで、にこりと微笑むと『え…それじゃ任せてみようかな』と何故か照れ臭そうに、俺の手際を眺めている。


これは真剣に選ばないとな、と思いながら……俺は今の彼女に合うカクテルを作る為に、シェーカーを手にした。


シェーカーの中に、トロピカル・ヨーグルトにアリーゼ・ゴールド・パッション。
クレーム・ド・ペシェ、パイナップルジュースと氷を入れてシェークしていく。



その間も彼女は食い入る様に見詰めていて、そう言えば何時もはエアーかバブルが作っているからな……と自分なりに納得しながら、次の行程へと進む事にした。


シャンパン・フルート・グラスにシェークした物を注ぐと、セブンアップで満たしていく。
最後にパッションフルーツを沈め、リボンをしたストローを添えて……俺は彼女の前に差し出した。



「こちらは『癒しの楽園』というカクテルです。
ヨーグルトと炭酸の爽快な喉越しと、濃厚なフルーツの風味が疲れを忘れさせてくれますよ」



確か彼女はカルーア・ミルクを良く呑んでいた。アルコール度数的には余り変わらない、むしろこちらの方が低いだろうが……温かさで言えば、『ミルク・トディー』の方が良かったのかも知れない。


俺は少し不安になりながらも彼女の反応を伺った。と、言っても表情は全く変わらず…微笑を浮かべたままなのだが。


こくこく。
呑んでいく勢いと、様子を見ていて『そう言えば…』と俺は彼女に尋ねた。


「今まで『お客様』としかお呼びした事が有りませんでしたね、もし宜しければ……お名前を教えて頂いても構わないでしょうか?」


『勿論、この店での名前で構いませんが……』と付け加えると、『それじゃあ…』と気さくに名前を教えてくれるから。


俺は目の前のお得意様である彼女に、奢り用のデザートであるフォンダンショコラを用意しつつ……


「それでは改めまして……何時も当店を御利用頂き有り難うございます、雅さま。
こちらは何時も当店を御愛顧して下さる雅さまに、細やかながらデザートのサービスとなっております」


と、微笑では無く心からの笑顔を向けて、彼女の名前を口にした。



何故か耳まで朱く染まっている様な気がしたが、まさか酔ってしまったのだろうか?
だとすれば…俺もまだまだ人間の心理を学ばねばならないと思う。
何にせよ、また彼女…雅さまが来店されるのが楽しみだ。



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ちょっと今日も落ち込んだからいってくるわあ。呉羽さんありがとうございます!!ぎゅっぎゅしてもらいにいきます!
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