「え…そんな…」
ウソだ…単純に考えたら嬉しい!
でも…私は何て事を…
ホープはまだ学生だぞ?
こんな事が知れたらホープは学校を辞めて働きます、
とか言い出しそうだ…
いや、絶対にそう言うはずだ…
今まで私が散々ホープの未来を縛ってきた。
これ以上に縛っていいものか!
ホープには夢があると、以前私に語ってくれた事がある。
その時のホープの顔はどこか大人げで、
本当に夢をもった顔をしていた。
このことがホープに知れたらその夢を壊してしまうかもしれない。
私はそれが一番嫌だ。
そんな事、絶対にしてはならない。
ああ、私はどうしたら…
「少佐?」
「分かった。失礼する」
「ちょっと!」
医者が呼び止めるのも聞かずに
礼を言って病院を後にする
私はホープの未来の妨げになりたくない。
でも、この子は正真正銘ホープとの間に授かった子。
愛しいホープの子なのだ。産みたいに決まっている。
もしホープの未来も、お腹の子も守るなら選択は1つしか残されていない。
私は一つの決意を胸にホープのもとに向かう。
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