9−1
Side;Lightning

「やっぱあれは不味かったかなぁ…でもなぁ…」

朝私が出勤するとリグディがにやけ面でため息をついていた

「お前、どうしてそんな顔でため息をつく…心の乱れは仕事に響くぞ」

私がそう言うとリグディはまたため息をついた

「…お前はどうしてる?」

完結しきっていない質問に私はあたかも迷惑そうな顔をしてみせる

「だから、ホープと寝る時は避妊してるか?」

いきなりの発言に私は耳を疑う

「は?」

「いや…避妊をすっかり忘れてた。相手は許す、と言っていたが…

今すぐに結婚するには時が悪い。

俺の仕事が安定してからと考えているんだが」

なんだ、意外とこいつもいろいろと考えているんだなとは思うが…

「というか、お前たち付き合ってまだ数日だろう?

そういう発展が早すぎないか?

体目当てでもあるまいし…」

冷たい目線を向ける。

するとリグディはぐぁっと立ち上がって訳の分からん事をわめき始めた。

「体目当てなんかじゃねえ!

好きなんだからあたりまえだろ!?

というか、あいつが眠ってる間ずっと俺ものにするのを望んで夢見てたんだぞ?

待って待って、やっと手に入れて。

そんな男がそいつを目の前にして何の気も起きない訳ないだろ?

我慢できたら政府の研究対象だ。」

どこからが当たり前なのか…と逆に私はため息をついた

「でもそこでな、避妊忘れたんだよ。

大丈夫だと思うんだが心配でな…

お前なら詳しいかと思って。で、お前はどうしてんだ?」

朝からなんなんだこいつは…

「生憎、私はホープとの間に体的なつながりは無い。」

私が言い放つとリグディは あぁ!?と声をあげた

「お前達の方こそもう付き合って長いだろう?

しかも一つ屋根の下に長い時間いる。

なんでまた…」

「知らん。私に聞くな。」

そんな事で私が責められる筋合いは無い。

「お前、ホープに我慢させてるんじゃないのか?」

「…そういうつもりはない。

ただ、あいつがそういう考えを持ってないだけなんじゃないのか?」

そもそも、ホープはその手の事に関して私に求めてきた事がない。

そんな素振りを見せたこともない。

「前に、私が求めるまで待つ、と言っていたが…」

「はぁ…それでお前は何もアクションを起してないと…

かわいそうだろ…ホープ」

「…どうして」

「お前に合わせてるんだろ?

だったらお前も無理してでもあいつに合わせてやったらどうなんだ?

嫌なのかも知れないけどちっと位我慢してよ。

好きじゃないわけじゃないんだろ?

お前もあいつももう大人だ。

お前はホープに対して愛がねえようにしか見えねえぞ?

逆にそう言って求めてこないのも、

あいつが冷めてきてるのかもな。

お前の態度で」

リグディが冗談っぽく言ったのを私は聞き逃さなかった。

いや、もしかしたら冗談でもないのかも知れない、と思う。

私には色気はおろか魅力すら無いに等しい。

冷められるなんて…

「かもな…」

「おいおい、冗談だって、本気にすんなよ」

私はホープに無理をさせている。それは明白
だ。

よく考えてみればホープ位の年が1番盛りだろう。

かと言って私からアクションを起す、なんて考えられない。

それに、嫌な記憶だってある。


だけどそれを言い訳に私は逃げているだけかもしれない。

ホープが望むなら、叶えてやれたらいい。



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