8−1
コクーンを支えるクリスタルの柱

その柱の中心には2人が眠っている。

2人で力を合わせれば、とラグナログと変化し

クリスタルになりコクーンを守り続けてきた



でも、もう力が残っていない。

時間切れ。

どんなに硬い決意でも、こんなにも簡単に崩れてしまう。

ゴメンね、ファング

ゴメンね、みんな


もう逃げないって誓ったよ


でも、もう力が残っていないんだ




目が覚めたらグランパルスの大地で眠っていた。

すぐに敵の存在を心配するも、

捕食系の魔物が近くにいない事を確認し胸を撫で下ろす。

何ともいえない不思議な感覚にかられ

恐る恐る指を動かしてみる。

動く。

長い間の硬直からとけ自由になった。

この経験は2回目。


ふと隣を見ると 深い海のような蒼い服を身にまとった女性が倒れていた。

「ファング!?」

ファングをゆすって起すとウーンと声をあげつつも目を開いた

「ヴァニラ?」

「どうして?なんで?ええっ!?」

私達がコクーンを支えていた。

私達が目覚めてしまったならコクーンは…

「ヴァニラ!見ろ!」

ファングが指を指す先には大きな球体があった。

それは自分たちが支えていたものだった

「どうしてコクーンが…」

考えてみても全く分からない。

ただ分かるのはパルスの大地にコクーンが完全についているという事だった。

その他の変化、といえば…と自分の烙印を確かめる。

ルシだった印はファングの用に白く焼けている。

私とファングは全く訳のわからず、

見渡す限り緑の世界の大地を踏みしめるように歩いた。

久しぶりの緑の匂いを胸いっぱいに吸い込む。

「なぁ、ここってパルスのどこだろうな?

アルカキルティの大平原にしちゃ魔物が少ないようだし」

「うん。私も分からない。大平原か…それかどこか別の…」

何とか解決策を打ち出そうと考えていると

自分たちの方にコクーンの飛空挺が飛んできて

真上に旋回し影を作った。

「おいおい、あたしらを捕まえようってのか?」

「ええっ!」

ルシとして追われていた以上、

目が覚めてまた追われる可能性は無くは無い。

「お前は隠れてろ」

ファングにそう促されるも隠れるとこの見晴らしのいい所に隠れる場所など無い。

「ううん。戦うよ。もう逃げない」

ファングは槍を構え

私も武器を構えた


飛空挺が着陸し、ドアが待つのを待った

ゆっくりとドアが開いて中から人が降りてくる。


「ホープ…?それに…」

「ライト!」

飛空挺から出てきた仲間に捕まるかもなんて考えを忘れて駆け寄った

ライトニングは変わっていないけれど、ホープには大きな変化が見て取れた。

「ホープ…だよね?」

成長していてもホープの面影ははっきりと残っている。

でも一応確かめようと名前を問う

「はい。ヴァニラさん、お久しぶりです」

低くなった声で名前を呼ばれればなんだか妙に懐かしくって涙がこぼれた

「ホープー!」

昔のように抱きつけばやっぱりホープの匂いがしてまた懐かしくなる。

「あれから、何年たったの?ホープ今いくつ?」

「僕はもうすぐで18才です。

ライトさんは訳あって21のままですが。

あれから4年以上たってますよ。

それにコクーンの人たちも無事です」

4年、という年月を聞かされてほっとする

「良かった。みんなが生きている時に戻れて。

また2人だけになったらどうしようかと思ってた。」

ホープを放してみれば4年という年月が人間をどれだけ成長させるか分かるようだ

身長などとうに越されていて、かつてより明らかに「男」になっている。

それに、イケメン。

これは絶対にモテる。うん

「ホープ、かっこよくなったね☆」

「いえ、普通に成長しただけですよ。」



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