7−1
Side:Lightning

朝からコミュニケーターが鳴り響きいつもの癖で私は飛び起きた。

「はい。」

「おおファロン、今日はお前は休暇なはずなんだが悪いが今から緊急会議だ。

出てこれるか?」

「ああ。」

「お前の任務開始が近づいてきている。

俺がそろっと表に出る頃だからな。

詳しい事は会議で話すが、ちっとややこしい事になってな。」

「分かった。すぐに向かう」

急な仕事にホープの事を気遣うが、

こんな朝に慌てた様子で連絡を入れてきたリグディも無視できない。

私はホープに断って家を出た。





指定された会議室に着くといかにも身分の高そうな人たちが集まっていた。

私の階級も少佐だからさほど変わらないだろうが妙な空気が立ち込めている。

一体何があったのだろう…

疑問に思っていると辺りが静まり返り閣下が声をあげた

直接会ったことは無いが、

ダイスリーの後に政府代表代理になったシドの変わりの人間だ。

「急に集まってもらってすまない。

急な話なんだが本日を持って正式に政府代表にこのリグディを任命する。」

これは前から世間にも知られていた事だろうから特に反論も無いだろう。

あれば制圧するのが私の仕事だが

「私の方から話をしよう。

今朝早くにコクーンを支えるクリスタルの柱に大きなエネルギーの変化を感じ取った。

研究所の調査の結果ではファルシの力が弱まった

コクーンを支えるための大きな負担がかかりすぎて柱が限界に近づいて来ているらしい。

いきなりの急激な変化で今後どうなるかも分からないが

コクーンの崩壊の可能性が高い。」

閣下の言葉に私は息を呑んだ

コクーンを支えるファングとヴァニラの力が

弱まっているという事だ。

力が無くなればコクーンはパルスの大地に叩きつけられる。

そうなれば下敷きになったパルスの土地の人間をはじめコクーンに住む全住民の命は保障できない

「研究所の計算ではもってあと10日前後。

そこでリグディを代表に立てて市民にこのことを発表しようと考えている。

この件の対策は…研究所長に説明してもらおう」

長い説明に私は耳を傾ける。



簡単に説明すると、グラビティ・ギアの力を

最大限に利用した装置を作り

コクーンを一時的な無重力状態にし

クリスタルの上部を破壊しコクーンと引き離す。

落下体勢に入りパルスに落ちるコクーンを無重力で支えてコクーンをそのままパルスに下ろす、

という事だった。

成功率は前代未聞なだけに高くはない。

あまりにも危険な方法だが10日でパルスに全住民を非難させる事など不可能だ。

急な事で残りの可能性にかけるしか望みは無い。

ファングとヴァニラのいる部分には影響はないと分かったが

心配なのはコクーンの方だ。

万が一失敗するような事があればそれこそ地獄だ。


いくら無重力にしても衝撃は避けられない。

降りる時に震度4程度に相当する衝撃に見舞われる計算だ。

それに耐えられれば問題なく崩壊は免れられるという事だが…

これもあくまで「計算」だ。保障など無い


「これからテレビ局、インターネット等を使って一斉にこの事を市民に流そうと思う。

コクーンが助かるにはこの道しかないんだ。

コクーンの保護用のギアも出来上がるまでに

そんなに時間はかからないらしい。

その為に正式に代表を決定した。それがリグディという訳だ。」

そんなこんなで長い説明が続いた後に会議はお開きになった。

会議というより発表に近いと思うが…



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