私たちお姉ちゃん

「あら、なまえおかえりなさい。」
「ただいま、ミュゼ。部屋にいたんだね。」
「この街の景色があんまり素敵だから、ずっと窓から眺めてたの。」
「ほんとだ、この部屋からも夜景が綺麗に見えるね。」

「どこまで行ってきたのかしら?」
「城の前までだよ。絶景だった！」
「そうよねぇ。
人間は空を飛べないから、なかなか見ることができないでしょうね。」
「うん、初めて見たよ。トリグラフの夜景とはまた一味違った。」

「それは良かったわ。
…ねぇ、なまえ。」
「ん？なあにミュゼ？」
「あなたには、ミラってどんな風に見えているかしら？」
「ミラが？」
「ええ。あなたの知っている"ミラ"が。」

「…私、ミラに憧れてるのかもしれない。」
「そうなのね。」
「ミラの優しいところとか、強いところとか、芯が真っ直ぐなところとか、ね。
あんな風になりたいって最近思ってるの。」
「確かに私も、そういうところはあの子もやっぱり"ミラ"なんだなって思うわ。」

「ミュゼは、この世界のミラのお姉さんだもんね。」
「ええ。」
「ミラ=マクスウェルって、どんなひと？」

「そうねぇ。
強くて、正直で…眩しいくらい真っ直ぐな子よ。」
「そっか。彼女がジュード達と一緒に断界殻を開放したんだもんね。」
「そう。ね、あの子と同じでしょう？」
「うん、そうだね。ミラはやっぱり、ミラなんだね。」

「あの子のお姉さん…分史世界の私は、昔の私のままだったのかもしれないわね。」
「ミュゼ…」
「私は、ミラたちと戦ったことで救われたのよ。」
「ガイアスと一緒に、ジュード達と戦ったことは聞いたよ。」
「あの時ミラが手を差し伸べてくれたから、私はこうして前を向いていられるの。」

「そっか。
ミラ=マクスウェルは、ミュゼの大切な妹ってだけじゃなくて、ミュゼの支えなんだね。」
「ええ…そうなるわね。
ねぇ、なまえにも妹さんがいたんでしょう？」
「いたよ。子供の頃に、亡くなったんだけどね。」
「辛かったわね。」
「うん…けど、この前分史世界で成長した姿を見られたんだ。
話すこともできてね。最後はあんなになっちゃったけど、そのことは嬉しかった。」

「なまえ…」
「ミュゼがミラあの子のことをミラ=マクスウェルとは違うって見てるように、あの子は私の本当の妹とは違うって分かってはいるんだけどね。」
「その気持ち、分かるわよ。」
「ほんと…？」
「ええ。だって私も、いまあの子が悩んでること、心配だもの。」
「ミラの悩んでること…この世界のミラのことだよね。」
「ええ、おそらくそうでしょうね。」

「けど、この世界のミラはミュゼの本当の妹なんだし、ミュゼにとってはそっちの方が心配なんじゃないの…？」
「そうねぇ…確かにこの世界のミラにはどうしても戻ってきて欲しいと思ってるわ。けど…」
「けど…？」
「あの子がその事で思い詰めてるんじゃないかって思うと、同じくらい心配になるわ。」
「ミュゼ…」

「あなたになら分かるんじゃないかしら、この気持ち。」
「……うん。分かるよ、ミュゼ。
私も、あの子と会えたから。」

「ふふ。私達、境遇は違うけど似てるところもあるのね。」
「うん、そうだね。私もミュゼも、妹が大好きだもんね。」
「大好きすぎて、ついつい甘えちゃうんだけどねぇ。
四大には時々どっちが姉なんだかって言われちゃうのよ？」
「あはは。けど、ミュゼはやっぱりお姉さんだと思うよ。」
「あら、嬉しいわ。」
「精霊のミラを心配してる気持ちも、今ここにいるミラのことを心配してる気持ちも、どっちも伝わってくるから。」
「ありがとう、なまえ。」

「なんか、ミュゼに頭撫でられたら私も甘えたくなってきたかも？」
「あらあら〜。良いわよ？私の方があなたよりもっとお姉さんだからね。」
「ミュゼは、甘えたくなったらどうするの？
やっぱり精霊のミラに？」
「そうねえ、みんなに甘えちゃうかしらね〜！」
「うんうん。私にも甘えてね！」
「うふふ、そうするわ。」

「ミュゼと初めてこんなにたくさん話したね。」
「楽しいわ〜。同じ部屋にしてくれたルドガーに感謝ね。」
「うん、ほんとにね。」
「"お姉さん"仲間って周りに居なかったから、なまえと話せてよかったわ。」
「私も！ミュゼとは気が合いそうだね。」
「ええ。なまえ、これからもお姉さん同士よろしくね。」
「うん、ミュゼ。私の方こそよろしくね！」

「さてと…じゃあさっきのデートのことについて詳しく聞かせてもらおうかしら？」
「えっ、デデデ、デート！？な、なんのことでしょうか！？」
「あらあら、真っ赤よ〜。
ルドガーから直々にお呼び出しだったんだから、デートでしょう。」
「ミュゼ！声が大きいよ！」

「うふふ。楽しい夜になりそうね。」

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長編夢主とミュゼのお姉さんトークのリクエストで書かせていただきました。
チャット風でお送りいたしました。

エクシリアメンバーって一人っ子が多いんですよね。
環境のせいもあるのでしょうが。
お兄ちゃんはガイアス、ユリウスといますが、お姉ちゃんはミュゼだけかな？
しかしガイアスとユリウスのお兄ちゃんトークがあるとしたら…気になりますね。

シナモン様、リクエストありがとうございました！