春色マカロニ


「ん…あれ?君うちのクラスの子じゃないっスよね?」
「あ、うん」

入学式が終わり先生が来るまでの空き時間。彼を探しに他の教室を覗きに来ていた。ドア付近に立っていた綺麗な顔をした金髪の男の子に話しかけられる。
うちのクラスじゃないって、もうクラスのみんなの顔覚えたのかな、凄い。

「誰か探してんの?」
「えーっと、赤司くんっている?」
「……ごめん、聞いたけどまだ誰が誰か覚えてなくて分かんない」
「あ、だよね!いいの気にしないで!」

申し訳なさそうに項垂れる金髪の男の子。そりゃそうだ。まだ名前を覚えてない方が自然である。ちらっと教室を見回すが彼らしい人は見当たらなかった。廊下に出てる人もいるからよく分からないけど。

「いないみたい。ありがとね、えっと…」
「あ、黄瀬涼太っス」

指を自分にむけて笑顔をむける黄瀬くん。これからめちゃくちゃモテるんだろうな。にこっと浮かべる彼はそれはもう女の子が憧れるような笑顔だった。

「壱原朱音です。ありがとね、黄瀬くん」
「いーえ!これからよろしくね!朱音ちゃん」
「うん、よろしく」

そろそろ時間だ。結局会えなかったけど、これから三年間あるんだ。会えないはずがない。今日は黄瀬くんとお知り合いになれたし良しとしよう。
あたしは「またねー」と手を振る黄瀬くんに振り返し自分の教室へ戻った。


/ストロベリー夫人はご機嫌斜め

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