「え?ツナを救出に?」

私たちのボスの救出。なのに焦りを感じないリボーンの様子を不思議に思う。伝わったのか私を見ながら肩をすくめた。

「応援の要請が入った。戦闘レベルはそうでもないが数が多いらしい」
「なるほど」
「で、名前をご指名だ」
「……それを受け入れるの?リボーンが?」

10年も一緒にいればクラスメイトから恋人に変わっても不思議じゃない。
京子ちゃんを好きだと思っていたのにいつからかツナは私を好きになったこと、全く気付かなかった。今は私もツナが好きだし、自覚してるけど片想いが長かったツナは自分で言うが私への愛情がハンパない。それはもうイタリアに来て触発されちゃった!?と思う具合に。
だから強くもない敵マフィアを倒すため私を指名するのは分かる。ただ会いたいだけだ。
けどリボーンがすんなり了承するとは思わなかった。

「一週間以上予定入ってない奴はお前だけだからな」
「う、うん。そういえば…」
「行ってこい」

ニッと笑うリボーンにまだ納得がいかないが戦闘はもちろん口先でも敵うはずがない。とりあえず任務に行くことにした。





「…って、もう倒した後だし」

現場に着き脱力する。張り切って隠し武器まで仕込んできたのに。
獄寺と話してるツナを見つけ近づけばこっちに気づいた。目が合うと微笑まれる。
獄寺は気をきかせたのかそっと離れた。

「名前、早かったね」
「…敵がいるかと思ってたからね」
「名前が来るんだから、危ない要素は一つでも取り除いておくべきだろ」
「ツナ救出の任務なんだけど!?」

腰に手をまわすツナの腕を剥がしツッコむ。だがそんなのお構いなしににへ、と笑った。「だって三日も会ってないじゃん」言いつつキスを強請る。
名前がそれを無視するとツナからキスをしてきた。

「っ、三日くらい我慢してよ!」
「撃たれようが刺されようが痛みは我慢出来るけど名前に会えないのは無理」
「ツナが狙われたら私が止めるから撃たれる心配はいらないよ」

指先にキスされようが熱い視線で見られようが気にせず話すようになったのはいつからだったろう。
ツナの愛情表現にいちいち構ってたらキリがないから仕方ないが私たちを知ってる同級生が見たら目玉が飛び出るだろう。守護者たち(獄寺以外)はもう何も言ってこないけどきっと私と同じことを思ってるはずだ。申し訳ない。

「そこが俺の一番不本意なとこ。普通俺が言うべき台詞なのに」
「ボスなんだから。それに私だって弱いわけじゃないよ?ツナに比べたら全然弱いけどさ」
「知ってるよ。名前は強い」

戦闘以外でもね、と続けるツナ。
目線が首にいったのを見て慌ててツナを押し戻す。獄寺を呼んだ。流石にツナもそれ以上は諦めたらしい。ほっと息を吐く。

「これからどうしようか」
「どうしようって?帰るんじゃないの?」
「…リボーンから聞いてないの?」

ツナの不思議そうな顔に名前は更にハテナマークを浮かべる。聞いてないって、なにを…?

「これから三ヶ月アジトはリボーン貸切なんだよ」
「はあ?」
「今年はバカンスあげてなかったからね、言ったらアジトを貸せって」

だから戻ると殺されるよ、と笑顔で言われ呆れる。
だから早く行けと急かされたのか。
そんなんでいいですかボンゴレファミリー。リボーンが言い出したならどうにも出来ないことは昔からだがボスがアジトから追い出されるって。

「そんなの聞いてないっていうか私武器しか持ってきてないんだけど!!」
「いいよ、服も宝石も必要なものは俺が買うから」
「宝石はいらない」

服はともかく宝石は必要ないでしょ。
歯ブラシやら生活必需品の心配しかしてなかった名前は焦った。高いものばっか用意されそうだ。

「この際楽しまないと。あ、どうせなら新婚さんごっこしようか。つーかごっこじゃなくてもいいけど」
「あんたはいい加減黙れ!獄寺を照れ殺させる気か!さっきから顔真っ赤なんだよ!」
「いや、俺は……どうぞ俺はいないものだと思ってください!」
「じゃあ遠慮なく」
「遠慮しろ!!」
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