「ミッションおーわり」
「名前サーン、ミーの獲物横取りしないでくださいよー」
「知らんし。それより今回フランとコンビってあんたの師匠はなに考えてるの?私の属性晴れだよ?幻術使うあんたと戦闘コンビっておかしくない?」
「師匠はパイナッポーのことしか考えてないですー。自分がナッポーだから」
「……はあ」

同じく命令で任務に出向いたフランに言っても意味ないか、と思い直す。もうミッションは終わった。済んだことだ。銃をしまい髪を解く。
早く帰って血を洗い流したい。返り血の分で重くなった服にげんなりしながら通信機を取り出す。任務終了を知らせていると手持ち無沙汰なフランは辺りにあった木の枝を集め火をつけだした。おいカエル、なにやってんだ。

「ちょっと!誰が潜んでるか分からないんだから、煙で位置バレるでしょ!」
「平気ですよー。なにもないように見せてますから」
「…ていうか、なんでいきなり」
「せっかくだから一泊しません?すぐ帰るの勿体無いですしー」
「野宿しろってか!あんたとふたりで!」
「テント持ってきました」
「おい、その荷物は武器じゃなかったのか。泊まる気満々か」
「樹海で男女共に過ごすってドキドキして素敵じゃないですかー。サバイバルで」
「(そっちかよ)」

はいはい、分かってますよ。誰もこんな女は相手にしないってことは。別にそうなってほしいわけじゃないけど。ていうかまだフランには早いだろ。色気より食い気。花より団子とは彼にぴったしの言葉だ。
顔より数倍大きいカエルを被りながら火を見つめるフランはシュールそのもの。けどその目は楽しそうだった。…まだ少年って年だもんなぁ。私もそんなに変わらないけど。

「分かった。今日だけね。言っときますけど本当は帰りたいのを我慢してフランのためにサバイバルに付き合ってあげるんだからね。感謝しなさいよ」
「やたー。ありがとうございます。サバイバルしましょーね名前さん」
「はいはい」

適当に相槌を打つ。ほんと良く分からない子だ。もしかして骸はフランを私に押し付けたかったんじゃないかと疑う。そういえばアジトでもフランと一緒にいてやってくださいとか言って自分はさっさと消えてたな。ちっ、そういうことか。

「…食料になるもの探してくるから。ここで待ってて」
「シチューがいいです」
「この時期にシチュー…まあいいけど」
「シチュー美味しいじゃないですか」
「季節感ってものがあるでしょ」
「ミーは年中美味しくいただきます」
「ああそうですか」
「ついでに名前さんもいただきます」
「ああそうですか………は?」

よい子の黒魔術/√A
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