「名前!」

目の前の光景に瞬きを3回する。私の目の前にはルークが1人、2人、3人………3人!?

「うはあ、ハーレム」
「第一声がそれかよ」
「逆ハーか!」
「ハーレムから放れろっつーの」

駆け寄ってきたのは長髪ルーク、短髪ルーク、大人ルーク(実質10歳)。みんなは私にどうだと言わんばかりにへへっと笑いながらこっちを見てきた。ちょ、なんだこれ夢か?試しにほっぺをつねってみる。

「…いひゃい」
「おーよく伸びんのな」

大人ルークは俺もーと私のほっぺをつねってきた。痛っ!ちょ、大人になっても加減知らないなこいつ。楽しそうに引っ張る大人ルークを見つめる
……と、目が合った。微笑むその顔はやっぱりどこか大人っぽくて思わずドキッとする。するとなぜか不機嫌になった長髪ルークは私の腕を勢い良く引っ張った。

ばちんっ

「いっ!」

引っ張られた拍子にほっぺをつねられていた手が放ればちんと弾かれる。思いっきりつねられてた分痛い。

「おいルーク、もうちょっと加減しろよ」
「へっお前が名前から離れろ」
「なんだ嫉妬かよ」
「な、ななななに言ってんだよ!」
「どもってんぞ。…昔の俺ってこんなだったか?名前」
「…そんな事より痛い」

ほっぺをさすっていると今まで見当たらなかった短髪ルークがとことこと小走りで近づいて来た。その手にはタオルが握られている。ほらっとそのタオルを私のじんじんするほっぺに当ててくれた。

「タオル濡らしてきたから」
「うう…優しい、優しいよ短髪ルーク!私の癒やし!お母さーん!」

短髪ルークを引き寄せ抱きしめる。うわっとだけ声を出してからルークは固まってしまった。
やっぱり短髪ルークは可愛いです。愛してる!

「あ、おい何やってんだよ」
「なーんかムカつくような…」
「う……あ……」
「固まってんなよ。早くはーなーれーろー」

長髪ルークは私を引っ剥がしすぐに腕を取られる。大人ルークも暇なのか「俺の時代の未来の名前はー」と私の髪をいじりながら語り始める。
そして、目の前にはさっきまで固まっていた短髪ルーク。タオルを両手で握りしめこっちを涙目で見つめてくる。成る程これが逆ハーか。

「お母さんとか……男扱いじゃねえのかよ」
「なに、旦那さんがいい?」

そう返すと彼は真っ赤になってまた固まってしまった。あああ、可愛い。

「…で、どうしてルークが3人いるの?」
「「「今さら!?」」」

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