「名字、今日はボンゴリアンバースデーパーティーだぞ」
「リボーンと綱吉さんの誕生日会ですね」
「来ないのか?」
「仕事が終わってないんです」
「ファミリーは全員参加だ」
「でも骸も雲雀さんも来ないんですよね?」

人の椅子にどかりと座りリボーンが私を見る。椅子を取られた私は突っ立ったまま彼を睨んだ。

「それに、仕事を入れたのは綱吉さんですし」
「それはお前がギリギリまで溜め込んでるからだろ」

深くため息をつかれる。悪かったな。でもそれも元々は潜入任務を入れた綱吉さんのせいじゃね?あの人はなに考えてるか読めないから苦手だ。つーか私ここで住み込みしてるけど本当はヴァリアーなのに。

「私イタリア帰ってもいいですか?」
「駄目だ」
「いい加減ボスのとこ帰りたいんですけどー」
「お前が帰ると色々面倒なんだよ」
「なんですかそれ」

ムカッときた私はリボーンに近付く。椅子に座っているリボーンの上に片膝を乗せ左肩を掴む。右手は自分の懐へ、銃にかかる。

「その血の気を無くせともお前らの保護者に言われてんだよ」
「…スクアーロに言われたくない」
「その気持ちは分かるがな」

銃を向けてもリボーンの表情は全く変わらない。経験の差というやつだろうか。じっと私を見つめていたリボーンだがちら、と視線を外す。そしてすぐに視線を戻しニヤリと笑った。

「その前にあいつをどうにかした方がいいんじゃないか」

眉を寄せる。分からないままさっきのリボーンの視線の方へ移せばにっこりと笑っている綱吉さんの姿。

「…あ」
「楽しそうだね、名字。リボーン」
「見て分かるだろーが俺は何もしてねえぞ」
「…名字?」
「な、なんもしてないけど?」
「羨ましい光景だよほんと」

焦ってリボーンから離れ背筋を正す。物凄い勢いで冷や汗が伝う。笑顔なくせに声が低い時のこの人はボスと同じくらい怖すぎる。

「名字、今日のパーティー行くよね?つーか行くぞ」
「し、仕事終わってないし」
「行くぞ」
「……」

顔を反らせば増す殺気。銃を持った右手を掴まれた。銃を取られ彼の手を握らされる。
横でリボーンが鼻で笑ったのが聞こえた。

「ツナ、お前も仕事あるだろ」
「今日くらいいいでしょ別に。誕生日なんだしさ」
「…気晴らしも大概にしろよ」
「え、なんで出ていくのリボーン」
「え、なんでリボーンを引き止めるの?」
「…別に」

右手が痛い。凄い痛みが走る。それに気を取られていてリボーンが出ていくのを引きとめられなかった。さっきまでリボーンに銃を向けていたのにリボーンがいなくなったことに不安を覚える。

「名字、俺になにか言うことは?」
「仕事減らせ」
「違うよね」
「…誕生日おめでとうございます」
「言わせてる感ありありなんだけど」

どう考えても言わせてるだろ…

「ああ、仕事気にしてんの?お前の仕事が沢山あるのは終わらせないようにしてるからだよ」
「は?」
「なくなったらお前イタリア帰るだろ」
「…さあ」
「ま、何処にいても見つけるけどね。

「超直感で」と付け加え腰を引き寄せられる。だから、その声で笑顔は怖いっつーの

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