悟る日


「リボーンさん」
「…来たか、お茶汲み」

あれからこの人は私はお茶汲みと呼ぶ。その度睨むが効果がないらしい。素知らぬ顔でいつもスルーされる。

「午後は何をすればいいんですか?」
「その前に、お前俺に認められてどうしたいんだ?」
「え?」

突然の質問に驚く。認められてどうしたい?社長から仕事出来ないから来るなって言われて雲雀さんに「負けず嫌い」って言われて、ディーノさんに背中を押されて。リボーンさんに認められて、私がどうするか?

「決まってますよ。終わりにします」
「…仕事を辞めるってことか?」
「秘書の検定もしてないし。元はと言えば社長が気分で私を決めたようなものだし、ディーノさんのとこに働いてて分かったんです。私にはあれが合ってるって」
「…」
「今こうしてるのは負けず嫌いの私の自己満足ですから」
「……なんだ、分かってたのか」

じっと私の話を聞いてたリボーンさんはニッと笑みを浮かべた。そして、机に置いてあった紙を手に取った。

「合格だ」
「……へ?」
「ちなみにお前に拒否権はない。ツナとは言い争えても俺に刃向かったら容赦しないぞ」

よく意味が分からない。え、なにこの人社長より俺様なの?つーか社長の俺様ってリボーンさんの影響なんじゃ…元凶はこいつか…!私の苦労の大部分はこの人のせいか!
そんな様子の私にリボーンさんは溜息を吐いた。

「だから、認めてやる。ダメツナをあそこまで育てたのは俺だからな。ダメダメな三咲をどうにかして全うな秘書にするくらいどうってことない」
「あ、あの?」
「ディーノのとこには行かせない。これからもツナたちと一緒に働いてもらう」
「……えええ!ちょっと待って!なにそれ!?」

拒否権はないっつったよな?
さっきリボーンさんが取り出した紙は一番上に「契約書」と書かれていた。つまり、認められたけど、認められたから、会社にずっと縛られると…?
じりじりと距離を詰め寄って来るリボーンさん。冷や汗が浮かぶ。うわ、この人怖い。逆らったらどうなるか分からないタイプの人だ。じっと動かない私にリボーンさんは満足そうにニヤリと笑った。

「ほら、早く名前を書け」

やっぱり私はとんでもない会社に入ってしまったようです。

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -