秘める日


「あーあ、またですか」
「俺ら二人でも頑張ろうな!三咲」
「先が思いやられる…」
「まあまあ」

ロマーリオさんがディーノさんを置いてちょくちょく消えることがある。
「どうしてそんな危険なことを!?」と疑問に思ってたけど会社の方に顔を出しているらしい。ここは二人にとったら副業なのだ。考えてみたらディーノさんが始終ここで働いてる方が可笑しいんだと思い知る。あんた社長だろ!?
私がいてもドジ止めることは出来ない。私がくる前一人でどうやって働いていたのだろう。

「客もいないし、コーヒー飲むか?」
「私がやるよ」
「えー俺がやるよ」
「ディーノさんのコーヒーは大好きだけど今作らせるわけにはいかないから」
「いいから三咲はゆっくり…あっ」

カップを落とし慌てて拾い指を切るというお約束。私はといえばカップを落とす前にさっと動き消毒液と絆創膏を取り出していた。
しゃがみ込んでいるディーノに合わせしゃがみ無言で手を取る。

「ほら、動かないで」
「んん」


「はい、終わり」
「さんきゅー」
「なに店でイチャついてんだ?」
「…うわ!!リボーン!」

いつの間に来たのかカウンターに座り頬杖をつきながら私達を覗いていた男の人がいた。
…ん、リボーン?どっかで聞いたことあるような…んんん?

「チャオ」
「お、お前いつの間に来たんだよ」
「気づかないとはまだまだだな。で、お前の新しい女か?」
「そんなんじゃねって。な、三咲。この前入った新入りだよ」

苦笑いするディーノ。なんだか焦ってる?と首を傾げ思い出す。そういえば綱吉さんの家庭教師ってリボーンって言ってたような…
綱吉さんとも雲雀さんとも絡みのある人だし、その家庭教師を知っててもおかしくない。
そう考えるとディーノさんが慌ててる理由も分かる。やばい、ここでバレるわけにはいかない!

「ど、どうも」
「……三咲、コーヒーは作れるのか」
「え?…まあ一応。お飲みになります?」
「ディーノのコーヒーは飲めないみたいだからな」
「あはは」

ロマーリオさんのいないディーノさんはコーヒーを淹れる自体難しいだろう。三咲は苦笑いした。
ディーノさんのコーヒーは本当に美味しい。普段慕っているがそこに関して三咲は尊敬している。「コーヒーを飲みに来た」なんて、やっぱり彼のコーヒーは美味しいんだとなんだか自分のことのように誇らしく思った。

「ディーノさんより上手く出来ませんけど、精一杯作ります」



「ど、どうです?」
「…悪くない。驚いた」
「うおお、リボーンが俺以外のコーヒーを褒めるとこ初めて見たぞ」
「実力のある奴には俺はちゃんと認めるぞ。あと女には優しい主義だ」
「…それ、私が女だからお世辞言ってるってことですか」
「あん?その前に言っただろ。実力のある奴はちゃんと認めるって」
「へえええ?(大声)」
「…三咲、こういう奴だから」
「はっ、面白いな」
「(馬鹿にされてる…)」

ニヒルに笑う彼。苦手なタイプかもしれない。綱吉さんがまだ一人前に仕事が出来ない私をリボーンさんから遠ざけたのは正解だったかもしれない。


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