重なった日





「うわっ」

風呂から出ると三咲が電気もつけずにじっとテレビを見ていた。「テレビに近い!」とか「電気つけて見ろ!」とかいつもなら怒ってただろうけど今回はそれよりもっと衝撃を受け頭が回らなかった。

「綱吉さん?どうしたんですか」
「三咲…なに…その格好」
「え、服持ってきてないから借りるって」
「いや、それは聞いたんだけど…」

とりあえず近づく。もちろん会話してるんだから視線は三咲の目…ではなく太もも。なぜかこいつはまだ冬だというのに風呂上がりにシャツ一枚。しかも俺の。薄暗くても白い太ももがよく見える。え?ほんとなにやってんのこいつ。

「なんでシャツ一枚なの」
「だって、好きでしょ?こういうの」

プツン
笑う三咲にもう限界、と三咲の腕をおさえ口にかぶりつく。急に押し倒して不意討ちだったのか床に倒れた瞬間ガツンと音がした。

「〜〜っ、」

ガッ

「いたっ」

痛みに耐えきれず声を出したのは綱吉の方。
後頭部を打った三咲は仕返しなのか俺に頭突きをかましてきた。痛い…と額をおさえる。
デジャブ!!仕返しとかいつかのデジャブ!!!

「いきなり押さないでください!」
「え…だって、誘ってるんじゃないの」
「ばか!痛い!」
「痛いのはこっちだよ!」

もうわけ分かんないこいつ!と綱吉は呆れる。でもこんな時でも胸とか太ももとかに目がいっちゃうのが悔しい。気づかれまいと目を逸らす。

「もう寝ます。綱吉さんはソファーで寝てください」
「それ俺のベッドだ!!!」




「ってことがこの前あったんだけどさ、この場合俺どうしたら良かったの?ていうかあいつは何がしたかったの?」
「…三咲は自分の思い通りになると満足して終わらすから。あっちからくっついて来て欲しいなら綱吉くんが冷たく反応すればいいと思うよ」
「…ってことは入江くんはいつも三咲にくっついて来て欲し」
「……」
「…なんでもない」



入江くんの睨みに負けた綱吉。三咲なら土下座してるレベル。
ちなみにあの後ベッドに横になった三咲を綱吉が蹴り落としてまた一戦ありました。


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