悩む日




「はい三咲。コーヒー」
「……雲雀さん」
「なに?」
「普通こういうときインスタントでも缶でも飲めるコーヒーを渡しますよね?なんですかコーヒー豆って」
「飲みたい」
「…子どもっぽく言ったって可愛くないんですよ」
「本心だよ。…三咲のコーヒーは美味しいから好きなんだけど」
「ああもう可愛いなこんにゃろう!」


雲雀からコーヒー豆をひったくりお湯を沸かしだす三咲。…口元がにやけている。
要領が分かると扱い易い子だ。


「雲雀さんってコーヒー好きですよね」
「飲み物が好き。飲んでると落ち着く」
「紅茶は?」
「……紅茶のが好き」
「あ、そうなんですか。じゃあ今度紅茶にしますよ」
「紅茶もできるの?」
「というより、紅茶が本職です」
「へえ」


本職って言い方はおかしいと思った雲雀だったがツッコむと面倒なので素直に感心する。
最初に煎れてくれたのがコーヒーだったからずっとコーヒーだけリクエストしていた。三咲のコーヒーは美味しいしさっきの言葉に嘘はない。
でもこれならもうちょっと早く聞いておけば良かった。


「三咲は紅茶のが好きなの?」
「ケーキに合うのはやっぱ紅茶ですよね!」
「…ケーキ」


いつケーキに合う飲み物の話になったんだ。


「あ、雲雀さんケーキ大丈夫ですか?じゃあ明日一緒に食べましょう!持ってきます!」
「え、あ…うん」
「ついでにお昼も一緒に食べましょう!」
「…ねぇ。こういう時って綱吉は誘わないの?」


半ば予想がついていたが一応聞いておく。
すると「あははー私の分まで食べようとする奴は駄目です」と予想通りの返答+笑いが付いてきた。
社長と秘書にも恋人同士にも見えない二人。
三咲と綱吉の関係が良く分からなくなった雲雀は「これには触れちゃいけないんだ」と自己解決することにした。


悩む日
「雲雀さんだから、特別です」
「……はは」


とびきりの笑顔を見せられて雲雀は目を反らした。

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ピエロ宣言から会社ではいがみ合ってる方が多いです。(笑)


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