応える日
「……ええーっと」
「なに?熱出て喋るのも頭ガンガンする病人に玄関まで歩かせといてありがとうございます綱吉様とかないの?お前はパソコン技術以前に礼儀学べよ」
「…す、すみませんでした」
最近忘れてたけどこういう人だったー!と内心腹黒綱吉様にハラハラする。
熱で更に苛立ってるのかもしれない。
喋るのも頭痛いと言っているくせにめっちゃ喋ってるじゃん…というツッコミは心に留め(言うと怖いから)笑って誤魔化した。
「三咲の熱がうつった」
「違いますよ!うつさないようにずっと家にいたし。お見舞いも断ったでしょ?」
「なのに正一くんは毎日呼んだらしいね」
「なんでそれを」
まさかそれで怒ってるのだろうかと焦る三咲を観察する綱吉。
別に正一くんのことは心配していない。慌てている三咲を見るのは楽しいから少しからかっただけだ。誤魔化そうと三咲のする行動も知ってる。…読んだ通り三咲はそれをし、満足げに笑った。
「…風邪うつるよ」
「いいんです。どうせ薬飲ませろとか言ってあーだこーだ言ってるうちにやられんだから。キスの一つや二つ気にしません」
「本当女らしくないよなお前」
「私に女らしさ求めてたらお終いですよ」
「…そりゃそうだ」
「おい」
応える日
少し機嫌が良くなったらしい綱吉。
……仕方ない。今日くらいは言うこと聞いてあげよう、と三咲は毛布をかけ直してあげた。