溶ける日




From 三咲
Subject 無題
─────────
マンション着いた。
けど入口壊れてるっぽい入れない



そんなメールが来たのが少し前。綱吉はベッドに横になりながらそのメールを見た。
体が熱い。ごほごほと咳が出る。
風邪をひき雲雀さんに強制的に休まされたのが二日前。あれから会社にもどこにも行かず家で寝ている。
昨日三咲が復活したらしく今日は見舞いに来るとメールが来ていた。



From 沢田綱吉
Subject 無題
─────────
壊れてるってどういうこと?



From 三咲
Subject 無題
─────────
自動ドアの前に立っても
感知してくれないちくしょー



汗を雑に拭いながら画面を見る。
こいつ…このマンションはセキュリティーロックがあるからって前に教えたのに!!
暗証番号入力しないとマンション自体に入れないことなんてすっかり忘れてるんだろう。あの機械オンチめ。



From 沢田綱吉
Subject 無題
─────────
暗証番号入れた?
番号教えただろ



From 三咲
Subject 無題
─────────
忘れてた。
2744だっけ?(笑)
=つなよし



From 沢田綱吉
Subject 無題
─────────
馬鹿にしてんだろ
60110!



From 三咲
Subject 無題
─────────
あ、そうだった。
りょーかーい



返信を見て溜息を吐く。これでやっと寝られる。…いや、五月蝿くて寝られないかもしれないけど。
そろそろ三咲がここへやって来る。


「(お前に風邪うつされたって脅してやろう)」



いつもより高い体温を自分で感じながら弱々しくも悪戯を思いついた子供のような綱吉は笑った。


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -