絡める日




ソファに綱吉さん、正ちゃんが向かい合う。私がどっち側に座ろうか悩んでいると綱吉さんに引っ張られ隣に座らされた。


「ごめんなさい。三咲だけかと思って……」
「ていうか、誰?」
「『一人暮らしに欲しい助っ人キャラ』の入江正一くんです」


にっこりして言う三咲に正一視線を移す。怒ってるように見えなかったが三咲はなにか感じとったのか「すみませんでした」と頭を下げた。
それを見て仲の良さは十分理解出来る。
イラだった綱吉は直球に聞いた。


「三咲とどういう関係?」
「他人です」
「………は?」
「正ちゃんはツンデレなんです。他人は嘘!私と正ちゃんは家族ぐるみの幼なじみです」


他人と即答したした正一に気の抜けた返事を返してしまった。おちゃらけて誤魔化そうとしてる訳じゃなく本気で答えたような真面目な表情。


「えっと、貴方がお前はピエロ宣言したっていう三咲の恋人…ですよね?」
「(ピエロ宣言…)…ああ、はい」
「綱吉さんの発想、僕大好きです。ピエロっていうの聞いた時数時間笑いが止まりませんでした」
「あの時本当に笑い続けてたよね、正ちゃん」


ジト目で正一を見る三咲を完全無視する正一。なんかすげぇ。


「…あれ?『正ちゃん』って確かお菓子作りの」
「おお、綱吉さんのくせに覚えてる」
「刺すよ」
「すみませんでした」


頭を下げる三咲。
コーヒー入れるねと場を逃れるようにポットとカップの方に向きを変えた。


「はい。パティシェ目指しててよく作ってるんです」
「私はお茶係であのケーキ毎日食べてたらいつの間にか上手くなったんです。お茶」

「たった一つの取り柄が見つかって良かったね」
「……言い返せない自分が辛い」
「馬鹿じゃないの」
「馬鹿じゃない!…綱吉さんもなんか言ってください!」
「馬鹿じゃないの」
「えええまさかのそっちサイド!?」


優雅にコーヒーを飲む二人。
あれ、なんか仲良くなってる。
この二人がタッグ組んだら私おしまいじゃね?勝てなくね?だから会って欲しくなかったんだ。
三咲は正一が部屋に入って来た時の冷や汗をまた感じた。



絡める日



あとがき―――――
甘い要素どこにもない←
雲雀と風と違ってこの三人となるとセリフ多いし会話が進まないし大変だということが分かった。
正一と会えただけでも良かった…かな(笑)


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -