疼く日





「あ、片付けてくれたみたい」
「…だからなんなのそれ。ハウスキーパーでも雇ってんの?」
「なんて言うか『一人暮らしに欲しい助っ人キャラ』的な……」
「益々分からない」


三咲の家に入る。言ってる意味は分からないが確かに良く片付けられてる。予想していたものよりずっと良い。


「んじゃ社長ありがとうございました。え、足が心配だから見送りはいらない?じゃあここで失礼」
「なに勝手に言ってんだ馬鹿三咲」
「いたっ、怪我人を蹴るなんて非常識!失礼!」
「お前のが失礼だろ!」


こいつは仕事時間じゃなく会社でもなかったりすると俺=上司という図式が無くなるらしく少し敬語が減る。それに比例して態度はでかくなる。
仕事中のこいつの態度もだいぶ酷いのだが。


「なんかゲームでもします?」
「………」
「…あの、なんですか?」


無視していたがじっと見てくる綱吉に耐えられなくなり三咲は尋ねることに。


「なんか作って」
「は?」
「夜ご飯。せっかくキッチンがあるんだし」
「いや、せっかくって使い方おかしくない?ていうか私が料理苦手なこと知ってるくせに!」
「作って」


にっこりと笑って言うと何か考えるように目を逸らす三咲。
綱吉はこの様子を見るのが好きだ。こういう時の三咲は予想外の行動に出る。

「………綱吉さん」
「なに?」
「もう寝ましょう。優しくします」
「…は、ちょっと待って、付いてけないんだけど!」


首の後ろに腕を回され動けなくなる。いやいやいや、これはない!
綱吉の慌てた声に三咲はにやりと笑みを浮かべた。


「勝った」


口だけ動かしたその言葉は綱吉には聞こえるはずもなく。

そしてその瞬間、ガチャっと玄関の扉が開いた。
反応する間もなく足音が近付く。


「三咲!朝のあれはなんなの!帰ったなら片付けのお礼くらい言いに…あ、」
「………」
「…あ、ありがとー。正ちゃん……」



やっべー。
三咲は心の中で汗だくになりながら応えた。


疼く日




あとがき―――――
こいつら恋人らしいことあんましてなくね?
まあ私の文章力のせいなんですが…。
夢主のスタンスは『社長に攻める秘書(/恋人)』です。恋愛的にじゃなくて勝負な意味での攻め。


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