ありふれてる日




「…………三咲、何やってるの」
『商品の包装です。詳しく言えば内職です。』
「休憩時間になにしてるの。ていうか君一応もう秘書扱いなんだからお金に困らないはずでしょ」


さっきまでパソコンに向かってた時と別人と思うくらいひたすら袋詰めをしている。
コーヒー煎れて来た間にどれだけ荷物広げたんだ。この子は。
三咲の変な行動は今に始まったことじゃないか、と雲雀は三咲に向かい合うように椅子に座った。


「これ私が高校生の時からずっとやってるんで。ほら、この仕上がり。早い・綺麗・的確の3点セット。」
「ああ、ほんとだ」
「雲雀さんもやってみます?」
「やらない」
「………」


即答で断る雲雀にジト目になる三咲。
雲雀を見ながらも手を止めないことに本当に昔からやってるんだなと感心する。
雲雀との特訓だってもう二ヶ月は経ってるのに全く成長は見えない。
三咲は向き不向きが極端すぎるのだ。


「三咲はどうしてここに来たの」
「一応特訓しに」
「そうじゃなくて。どうしてここの面接受けに来たの?喫茶店とか茶道の先生とかじゃなくて」




三咲はピタリと手を止めた。


「給料が良いから。…まあ受かると思ってなかったんですけどね。ここで働いてたら私出来る人っぽく見えるんじゃね?って思って受けました」
「……………とっても君らしいね」


「らしい」答えに雲雀は笑った。そうだ。この子はこういう子だ。
そうですか?と袋詰めを終えた三咲は雲雀の持っていたカップを奪いずず、とコーヒーを飲んだ。


「………今度から私が煎れてあげます」
「お願いするよ」


はい、と返されたカップを口に運ぶ。


「綱吉とも話したんだけど今度他のメインの社員にも会わせてあげるよ」
「へえ」
「全然興味なさそうだけど。…なに、嫌なの」
「くれるならお腹に溜まるものがいいです」
「……」
「もしくはお財布に溜まるものでも良い」「咬み殺すよ」
「すみませんでしたあああ!」



雲雀から冷たい空気を感じ取り三咲は全力で土下座した。


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