春加「田中、アップの前にちょっといいですか」
田中「んあ？なんだ」
春加「思いっきりビンタしてほしい」
田中「は！？」
澤村「な、何言ってるんだ宝生」
月島「とうとうブッ壊れましたね。一番駄目な方に」
春加「…ない」
田中「ない？」
春加「日向が足りない」
田中「…………はぁーーー」
菅原「素直にブッ叩いた方が良いんじゃね？」
東峰「いやいや！宝生女子だし！落ち着こう穏便に…！」


春加「中間テストだったじゃん？会えてないじゃん？何回休み時間顔だけでも見にいこうと思ったか。これから久しぶりに日向に会えると思うと何しでかすかわからない」
澤村「気迫が怖い」
西谷「分かるぜ、春加。オレもママさんバレー通ってた頃は潔子さんに会えなくて何度枕を濡らしたか」
月島「もう日向にビンタしてもらえばいいんじゃないですか？」
春加「ビンタされる前に日向に会えた喜びで飛びつきそうじゃん」
月島「頭冷やしてください気持ち悪いんで」
田中「あんま言ってやるな、月島」
春加「いいよ。自分でも分かってるし」


菅原「で、なんでビンタ？」
春加「気合いだーー！！みたいな」
菅原「ビンタして治るのか？日向不足は」
春加「……」
西谷「目そらした」
澤村「暴力はだめだ。暴力は」
田中「そうだぞ。一応女であるお前に手出せるわけねえだろ」
春加「うう」


西谷「春加。良いことを教えてやる」
春加「西谷くん…」
西谷「いいか、この烏野高校という空間。同じ時間に授業をして、同じ空気を吸ってるんだぞ」
田中「……！おお！」
春加「西谷せんせえ…！」
月島「なにあれ」
菅原「二年は元気だなあ（にっこり）」
澤村「そうだな（にっこり）」
東峰（笑顔がこわい）

日向「ちわーす！」
春加「日向…！」
田中「きた」
澤村「あれ、見た瞬間走り出すかと思ったけど」
菅原「うわ、泣いてる」
東峰「日向見ながらただ涙流してる」
月島「なんか予選前日のことを思い出しますね。センパイたちのあれ」

春加「ひ、久しぶり」
日向「春加さん！お久しぶりです！」
春加「うわあんスガさん！」
菅原「えっなんでオレに抱きつく！」
春加「日向との距離感忘れちゃいました。どうしましょう！！」
菅原「いや、オレとの距離感も忘れてないか？」


西谷「あれどうします？」
東峰「放っておくのもそれはそれで大変そうだもんなあ」
田中「青城の優男もアレだけど春加も相当ヤバイよな」
月島「そういう意味ではすごくお似合いデスヨネ」


西谷「翔陽ちょっと耳貸せ」
日向「なんですか？」


春加「どうしたらいいですかスガさん〜」
菅原「うん…とりあえず日向にするみたいにぎゅってするのやめて欲しいかな。照れるし…」
日向「春加さん！！」
春加「え、」
日向「オレはいつでも飢えたケモノです！！」
東峰「ど、どうした日向」
日向「オレにトスもってこーい！エアーサロンパスの匂い！次は、オレの番だ！」
西谷「再現です！翔陽が言ってたことを聞いて昔の感覚を思い出す…ショック療法だ！」
春加「ひ、ひなたああああ！！！」

菅原「あ、戻った」
東峰「抱きついた」
田中「相変わらず泣いてるが…まあ許容範囲だろう。ノヤっさんのショック療法効いたみたいだ」
西谷「やったぜ」


澤村「良かったよ宝生。元に戻ったみたいで」
春加「は、はい（笑顔が怖い）」
澤村「アップの時間遅れた分の落とし前は、ちゃんとつけるよな？」
春加「すみませんでしたあ！走ってきます！！！」
澤村「え、仕事を沢山してもらうつもりだったんだけど…お前も走るの？」
菅原「宝生って根が体育会系だよな」
西谷「なかなかレシーブ上手いですよ！」
東峰（西谷が褒めるほどってヤバイな）