及川「春ちゃんこれあげる」
春加「…パイの実?」
及川「好きでしょ?」
春加「まあ…ありがとうございます」


〜後日〜

及川「ハァーイ迎えにきたよん」
春加「出やがったな」
及川「機嫌悪っ、どうしたの?」
日向「あ、クズ川さんだ」
及川「チビちゃん!?どうしてその名前を」
春加「日向あんまり近付くとクズが移る」
月島「あれ、今日もですかー。最早ストーカーですね。そのわりに一途ではないみたいですけど」
及川「そこの一年!!めちゃめちゃムカつくんだけど!!」

及川「てか一途だし俺!部活も自主練もしてこんな頻繁に他校来てる高校生いないよ!?こんな尽くしてる及川さんに春ちゃんはもっとデレてもいいと思う」
春加「泥団子でも食ってな」
及川「どういうこと!?悪口なの!?」
日向「女子から貰ったものを違う女子にあげるのは無しだと思…お、思います!」
月島「ていうかそれは女子男子関係ないよねえ。人間性の問題っていうか」
及川「え…どうして知って、」
春加「『びっくりした?好きです。 渚より(はーと)』こんなメッセージカードが入ってたんですよね。ほんとびっくりだよね。開けたら見知らぬ女の子渚ちゃんから告白されちゃってさあ」
及川「(青ざめ)」
月島「箱のミシン目っていうんですか?片方だけ少し開いていたんでそこから忍びこませたんだと」
春加「わざわざ他校にまで足を運ぶのも大変でしょう。渚ちゃんと仲良くしてれば良いんじゃないでしょうか?」
及川「ごめんなさいもうしません」


春加「あんたさ、こういうこと他の女子にもやってるんじゃないの?」
及川「そんなことないよ!今日のはたまたま気づかなかっただけで、本当に、俺は春ちゃんしか」
春加「そーじゃなくてさ」
及川「…」
春加「喋ったことのない子とか他校の知らない子からもモテてるわけさ。及川さんは。気さくな明るい子もいれば、面と向かって告白出来ない子もいる」
及川「…うん」
春加「そりゃ全員のそういうの一々答えてたら身が持たないし、アピールに全部気付けってのも無理な話だけど。及川さんの気持ちがどうとかじゃなくて、今まで無自覚で周りのフラグへし折ってたろうからこれから気を付けることをオススメします」
及川「…春加のフラグは昨日でへし折られちゃったの?」
春加「元々フラグなんてもの存在していませんので。見たのが私で良かったですね」
及川「にっこりやめて!!傷付くから!」


日向「昨日は大変だったんです。春加さんの機嫌が超悪くて」
及川「うっ、迷惑かけたね」
日向「自分で言うのもアレですけど、春加さんが俺と話してるときもイライラしてるの初めてでした」
及川「俺が言うのもヘンだけど信じられないね、その光景」
日向「それくらい…その…」
及川「うん?」
日向「ヤキモチ妬いてたんじゃないかなーと」
及川「……チビちゃん、良い子だね」
日向「?」
及川「天然でやってるとか凄いよ。飴なめる?」
日向「貢ぎ物ですか?」
及川「さっきの今でそんなことしないよ!自分で買ったやつ!てか貢ぎ物とか言わないで!」


日向「……(ごろごろ)」
及川「……(ごろごろ)」
日向「及川さん、浮気とかするとき気を付けてくださいね」
及川「しないから」
日向「そうですか」
及川「……チビちゃんさー」
日向「さっきから思ってたんですけどチビって言った方がチビなんですからね」
及川「俺はチビじゃないから。それは当てはまらないよ。…さっきヤキモチかなって言ってくれたけど」
日向「?はい」
及川「ヤキモチだよ」
日向「…」
及川「分かってるよ、ちゃんと」

及川徹の失敗
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