「ネンコさん、愛してます」
「ええっ!」

何故プーチンが食べかけの角砂糖を吹く。
私が愛を告げたのはネンコさんだというのに。
当の本人はそ知らぬ顔で雑誌を読んでいる。

「ネンコさーん、聞いてます?」
「ん」
「…私の順位は雑誌よりも下ですか」

返事をするならこちらを見て欲しい。
大体、毎日毎日こうやって想いを告げているというのに毎日毎日変わり映えしない返事をしてくれるネンコさんにため息が出る。
毎日毎日同じ反応を返してくるプーチンには呆れるが。

「はあーっ、もう止めちゃいますよ? 私…そんなに我慢強くないですから」

そう言いながらネンコさんにダイブ。
嫌われているわけではないんだろうなあ。
自意識過剰とかじゃなくて、ありのままの状況として。
だって、こうやってネンコさんに飛びついてもちゃんと受け止めてくれて頭まで撫でてくれる。
でも、好きってわけでもないのかもしれない。

「!?」
「…?」

プーチンが今の光景を見て目が飛び出んばかりに驚いている。

「ネンコさん…」

自分の惨めさに泣けてきた。
ネンコさんがこうしてくれてるのは、好きじゃなくて単なる優しさゆえかもしれない。
ネンコさんは、優しいから。

「…泣いてるのか」
「ふえ?」

声がしたから顔を上げると、雑誌ではなく私を見ているネンコさんがいた。
綺麗な指で優しく涙を掬われる。

「…言っておくが、」
「?」
「…今更、愛してるとかいらないだろう」
「!」

端正な顔が迫ってきて、互いの唇がわずかに触れ合った。
…鏡を見なくたって、自分の顔が今どれだけ赤いかなんて解ってしまう。

「…お前は、俺の傍にいればいい」
「はいっ!」















――――
アトガキ
ネーミングセンスの無さに泣きます。
…いつ書いたか思い出せない

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