どうも、蒼歌です。

皆様は覚えていらっしゃるでしょうか。見事にレポートを失敗してしまいましたあのバレンタインを。
透花め、私を巻き込みやがって、と言いたいところですがまあ抑えておきまして、今回こそはしっかりレポートしたいと思います。
では開始。


といいましても、私達はいつもと何ら変わらないので、特に特記事項はありません。……という訳にもいきませんね。
何かあるとすれば……

「おうよ今日もどうぶつやんの?」
『何か再ブレイクしちゃってさあ』
「ポケもやりたいー!」

透花の稼働率が異様に高いということでしょうか。
電気の使用率が低い夜間に充電すれば、少しはましだろう、と使用者――つまり所有者とその妹が言っていたような。
あまり節電になっていない気がしますが、学期末なので勉強する気をなくしているだけでしょう。

それに対し雪白は、大いに節電体制の影響を受けて、現在は寝ています。
夜になってから数時間だけ起きる、という生活を繰り返していますが、今日もそうでしょう。
村崎も以下同文。

紺野も今は寝ていますね。
ご隠居の仕事はあまりないらしいです。
最近は椅子に座ったままで寝ることが多いようで、寝ている所有者にはり倒されていることもしばしば。

緑葉と黒木は休憩中。
ここ何日かは戻りつつありますが、少し前は仕事が少なめだったよう。
何か2人で――いや、ほとんど緑葉が――話しているのが伺えます。
そういえば、黒木はほぼ話さないし、緑葉もお喋りな方ではないですが……2人の時はそれぞれ、口数が多くなってますね。
残念ながら、何を話しているのは分かりませんけど。


『起きろー、雪白起きろー! 夕方だぞー』

観察開始から30分。
所有者は雪白を起こし始めています。
……節電じゃなかったのでしょうか。

「何ですか……。節電なんじゃないんですか」

ボサボサの頭をもたげた雪白も同じことを考えていたようです。
にしても、何故雪白はいつも白衣を着ているのでしょうかね?
初登場から結構経ってはいますが、まだそれについては触れられていません。
何か二次元作品の影響の気がしなくはないのですが……。

『ほら今日は何の日』
「今日は3月23日ですよね? えーっと……あれ、何でしたっけ」

雪白にとぼけている様子はありません。あれは本当に分かっていない時の顔だ。
『あー残念。なんでかなー……あ、そうか』

後半はほとんど呟きだったようですが、声の大きさは変わってないよ、所有者。

『緑葉ならわかってくれるはずだ! りょーくはー!』

所有者は走り去っていきます。
こういう時に走るのは、なかなか抜けない癖みたいですね。

「……あれ僕はもういいのかな」

1人取り残された雪白は再び寝ようとしているようです。
できる限り寝るのが、雪白にできる一番の節電であるからだと思われます。
雪白を見ていても、特に面白くなさそうなので、所有者の後を追ってみましょう。
といっても、隣の部屋ですが。


『りょーくは!』
「はい、何でしょう?」
『今日は何の日だ?』
「はい? えっと……」

いきなり質問された緑葉はびっくりしつつも頭をひねり始めます。
出した答えは、

「世界気象の日、ですか?」
『……なんじゃそりゃ』

多分、内蔵辞書の『今日は何の日』を使ったんでしょうけど……。
さっぱり意味が分かりません。

『違うよー……。ほら、もっと個人的なの』
「あーえーっと」
「『まぜるな危険。』の一周年」

ここで口を開いたのは黒木でした。
黒木はSDカードなだけあって、記憶力が良いみたいです。

『そうそれ! さすがだね、うん』

何がしたかったのかは分かりませんが、所有者は満足げに立ち去っていきました。
緑葉と黒木は顔を見合わせていましたとさ。


その10分後。

『蒼歌ー、そーうかー!』

所有者の呼ぶ声が聞こえます。
仕方がないので、行ってあげましょう。

『あのさ、何か書きためてるもの、ない? いやあさ、お礼ネタ書きたかったんだけど、』

気付いた時には時既に遅しってやつですか。

『そうそうそれそれ。で、何かない?』

はあ……。
ないわけではないですが、あまり……。

『その手帳だよね、いただきー!』

あっちょ奪うなあああ――


――――――――――


  

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