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以下は、進学校に通うC級隊員女子と三輪隊セコム


久々に個人戦ブースにいけば、最近やたら歌川と仲が良いC級隊員のクラスメートがいた。そういえば「早く4000点取ってB級に上がらなきゃ…!」なんて戯言を吐いていたな、とジュースに口を付けながら思い出す。

「なあ、君C級?かわいーね」

クラスメートの様子を遠くで見つめていれば、へらり、と笑ってそいつに近付く人間が現れた。クラスメートの頭を撫で始めるこの人物は有名な人である。クラスメートの、アイツは目を丸くさせてその人物を見つめた。―A級一位太刀川隊の隊長、太刀川さんだ。A級の太刀川さんがC級隊員に絡むなんてどこからどう見ても、不思議な光景である。

「あのー…太刀川?さん?ですよね…?」
「おー。俺の名前知ってんのか」

クラスメートの甲高い声がやたら耳に響いてウンザリした。丸い大きな瞳は太刀川さんを映している。太刀川さんはその言葉に満足そうに笑っていて。これは、あれだ。絶対にあの人は何かを企んでいる。

「よし、お前。俺と模擬戦をやろう」

案の定、太刀川さんがとんでもないことを言い出す。アイツの顔は驚愕に包まれていた。まあ、その気持ちは分からないでもない……。いきなり個人総合一位に勝負を挑まれれば誰だって驚く。アイツは焦りながら「私全然強くないですよ……!私と戦ったってつまらないだけです!」と首を大きく横に振っていた。

「ん?だが、いつも米屋たちと一緒にいるだろ?」

だからお前に興味が湧いたんだ、とドヤ顔をする太刀川さん。……ああ、何にも知らないんだあの人。アイツに関わるなんて止めた方がいいのに。アイツと同期のC級隊員はそれを知ってか近付こうとしない。まあ太刀川さんが知らないのも無理ないけど。……まあそろそろ出てくるんじゃなかろうか。

「太刀川くん、そこまでよ」
「ん……?お前は……」
「あっ!蓮ちゃん……!!」

……ほら、やっぱり出てきた。
アイツは何故か三輪隊に守られている。戦闘員である四人は勿論、敏腕オペレーターのあの人まで。

「は?月見……お前がなんで」
「太刀川くん、この子に近付かないで頂戴」

三輪隊のオペレーター、月見さん。アイツに向ける笑顔と言葉には、はっきりとした好意と柔らかさを感じるのに太刀川さんに向けるそれはどこまでも冷たい。

「この子はね、私たちのお姫様なの。この子に近付くのなら容赦しないわよ」

太刀川さんはポカンと口を開けて間抜けな顔をしていた。月見さんは凛とした表情を緩めて、アイツの肩を叩くと「さあ行きましょう」とその場から離れる事を促す。とてもスムーズに行なわれた行動に思わず溜め息を吐きたくなった。

「……ん?どうした、菊地原。同じ場所ばかり見つめて」
「何言ってるんですか風間さん。……何も見てないし」
「そうか?あのC級の女子を見ていたように見えたが」
「……誰があんなセコム女」

DOLCE


関わるだけ面倒だ。三輪隊を敵に回すなんてまっぴらごめんである。



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