日常とかお返事とか




:)何者かの来訪
2015/06/17



Twitterではつぶやきましたが、その詳細をと思って小話的なものを書いてみました。
自分のように話してもよかったのですが、どうせならと、不思議現象のはまり役がいたので彼らにお願いして再現してみました。

零が私。
嵬が職場の同僚さんと思ってください。

 時刻は夜の11時。
 日を跨ぎそうな時刻に、零は寝床につこうかと腰を上げた。
「そろそろ寝ないか?」
 リビングにいる嵬に向けて声をかけると、テレビに視線を向けたままの嵬から小さく返事が聞こえる。そんなに面白い番組でもやっていただろうか、とまで考えて考えを巡らせるのを止めた。あの片割れの考えていることなんぞ、この先一生わからないのだろうから。
「俺トイレに行って先寝るなー?」
 聞いているのかどうなのかはわからないが、とりあえず伝えるだけ伝えることにして、零は宣言通りリビングを出て廊下の突当りにあるトイレへと足を向けた。
 近隣の人らは寝付き始めているのだろうか、特別騒がしい音もなく、耳に届くのはリビングからの生活音と己の足音のみ。リビングの光源から遠ざかっているため、当然周りは暗くなってくる。
 だがそれも、いつものこと。
 特別な変化などあるはずもなかった。

 ――そう、この時までは

「―――」
 ふと視線を横に逸らすと、開け放たれた自分たちの部屋の戸の向こう側が目に入った。
「――――っ?!」
 いつもならば、というよりは本来であれば月明かりに照らされた外の景色と、リビングのわずかな明かりに照らされた己の姿がうっすらと映り込んでいたはずのその窓ガラスに、ソレはいた。

 ガラスの向こうからこちらをのぞき込むように、両手と思われるものをガラスにつき、その場に立っていたのだ。

「???!」
 あまりに唐突なその出来事に一瞬で混乱に陥った零は、慌てて嵬のいるリビングに引き返す。
「れ、零!誰かいるんだけど!!?」
「は?」
 零の腕を掴み、急いで戻る。
 その間、一分も使っていない。
 本当にわずかな時間だった。
 だが――、
「……誰もいないよ?」
「………ウソだろ…?」
 そう、先ほどまで確かにそこにいたソレは、どこにもいなくなっていたのだ。
 心臓が一瞬にして早鐘を打ち始める。
「い、いや、だって、さっきまで確かにそこにいたんだ。こっちを見てたんだって」
「でも誰もいないじゃない」
 零が目撃してから嵬を連れ出すまでに使った時間はほんの数秒で、普通の人間ならばいなくなることはありえない。それに、もしも用事があったならば、目が合った瞬間逃げられとして、いなくなるはずがないだろう。まあこの場合、こんな夜中に用事があってやってくること自体が普通では考えられないのだが、その考えに行き当たるのはまだ先の話である。
 嵬は躊躇を微塵も感じさせない足取りで、真っ直ぐに窓へと歩いていき、そのまま窓を開け放った。
そして――
「誰か、いるんですか?」
 真っ暗なあたりに呼びかけた。
……………
……………
 当然、返ってくるものはない。
「やっぱり誰もいないよ」
 疲れてるんじゃない?と飄々とした態度で零は窓を閉めた。
「……いや、確かにそこにいたんだって。その窓からこっちを覗いているみたいに立ってて…で、嵬を呼んで戻ってきたらいなくなってて……」
 言葉にして初めて、その異常さに気付く。
 あの姿を思い出そうとすると、本当に自分が疲れていたのではないかと思われるほどに、その輪郭は曖昧になり、不気味さだけがはっきりしてくる。
 零は頭を抱え、その場に座り込んだ。

「なんだったんだよ、あれは――」



――――――――

…というのが、先日の泊まり勤務での出来事でした。


 「窓」という表記になっている部分は正確には、職場の玄関で自動ドア。夜は自動ドアも施錠しているので前に立っただけでは感知もしないし、開きもしません。そのドアの開く位置にソレはいました。
 記憶がどこまで正しいのかわからなくなってきているので、本当にソウだとは言えないのですが、確かに両手をドアについてこちらを覗きこんでいるような姿勢でした。そしておそらく、目が合った、ような…。

 もう震えるし、訳が分からないし、周りは冷静だし(笑)
 今から泊りなのに、もう嫌でしたね。
 その晩はもう一人の泊りの先生と同じ部屋で寝てもらいました(笑)
 仕事的には問題ないので、その日は思い切りその言葉に甘えてしまいましたよ。

 あと、その先生に清めの塩ももらったので、それを握りしめて朝まで寝ましたとさ。

 不思議体験的なものはこれが初めてではないのですが、今回みたく姿をはっきり見たのは初めてだったので、動揺は半端なかったです。
 この話を家族にしたら「ついに見えるようになったか」とか言われましたが、私の曾祖母がそれだったらしく、いろいろ曾祖母に似ているとかでもしかしたらそっちも引き継いでいたり?なんてね。
 とりあえず、しばらくは夜が怖いかもしれませんね。




 ……似たような話書いてるくせに怖いのか!?とかいうツッコミはなしの方向で(笑)




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