「――…なぁイヅル、五番隊副隊長はんの事好きぃ?」


ポツポツと雨が地に降り、樋を伝い落ちる水の音に外が豪雨である事を知る…憂鬱なその天気に愚痴の一つ漏らす事無く山積みの書類を片付けていれば、この雨のせいで窓からの脱走を制限され仕方なさそうに隊首席に腰掛けていた隊長が急に変な質問をしてきた。


「…は…?」


「せやから、五番隊副隊長はん好きかって訊いとるんよ」

「雛森君は……はい、まぁ好きですよ」


優しいし、癒やされるし…嗚呼、藍染隊長の事になるとどす黒いオーラ出してくるから其処はちょっと苦手だけど…。


「ほな六番隊副隊長はんは好き?」

「えぇ、好きですね…」


阿散井君は昔からの親友だし、愚痴とか聞いてくれて頼りになるから……あ、愚痴って隊長のですが。


「乱菊は?」
「悪戯好きなトコは隊長と同じくちょっと迷惑ですが……楽しい方ですし好きですよ」



「九番隊副隊長はん」
「頼りない先輩ですが、嫌いじゃあないですね」




「藍染隊長」
「好き、というか憧れですかね」





「東仙隊長」
「己の正義を貫く素晴らしい方だと思うんで好きです」















「――…ほなボクは?」













ぽつり、ぽつりと良いテンポで繰り返される質問に書類から顔を上げず筆を持つ手も止める事無くはいはいと応えていれば突然掛けられた質問に一瞬手が止まった。

先程までつまらなさそうに机に頬杖をついていた其れは早く早くというように期待の籠もった視線を此方へと向ける。


その様子をチラリと横目で確認すれば先程の無駄に長いくだりは此の為だったのかと理解し小さな溜め息が漏れた。

答えなど決まっている。
(…わざわざ確認など、必要ないでしょうに)










「…好きじゃあないです」
「………ッ!!?」










まるで当たり前と言わんばかりにさらりと返された思わぬ言葉に唖然とした表情を浮かべる隊長を無視し、僕は今し方出来上がった書類に印を貰うべく立ち上がり隊長の傍まで行った。



嗚呼、そんな悲しそうな顔したって駄目ですよ?
好きじゃないものを好きだなんて言える程僕は賢くはありません。








目の前で机に突っ伏しうなだれる隊長を気にする事なくスッと書類を置く。
それに仕方さげに体を起こした隊長にふっと小さな笑みを零した僕はそっと体を屈め







「――…市丸隊長の事は、愛してるんです」








銀髪に隠れる耳元で、小さく囁くように伝えると隊長の頬に小さいリップ音を立てて口付けをした。








(…満足してもらえましたか?)
(不意打ちとか卑怯やッ)



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ウン、分かり易い内容スンマソorz←
何となく書きたかったから書いた(笑)




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