「――……只今帰りました」



「…い、づる?」



長い長い1日。
市丸隊長がお留守の分溜まった仕事を一人で片付けた為に酷い疲労の滲む声で帰宅を告げれば其処には愛しい隊長がいて。
1日の苦労なんてあっという間に吹き飛び笑顔が漏れた。



「………?隊長、食事…作ったのに、お召し上がりにならなかったんですか?」



ゆっくりした足取りで市丸隊長に近付けばふと足元に、朝部屋を出る時と同じく手のつけられていない食事が置いてあった。



(嫌いな物は入れないよう気を配った筈だったんだけど…)



「――…好き嫌い、お変わりになられたんですか?」



小首を傾げ不思議そうに聞きながらもうすっかり冷めてしまった食事を手に取る。




「い、づる…いづるっ、イヅルっ!」



「はい?」



「……食べれへんよ…」



なんでだろ?
そんなに嫌いな物入ってたのかな…?



「…申し訳ありません、今すぐ作り直しますから―――」



「ちゃうっ!ちゃうんよイヅル…」



…………?



「これじゃあ食べとぉても食べられへん」



「……あっ!そうですよね、すいませんッ!」





…手…縛ってたら食べれないのは当たり前じゃないか、僕とした事が…。





「じゃあ僕が食べさせてあげます、市丸隊長そういうのお好きでしょう?」





「イヅル、イヅル……もう解いたってや、ボクん事出してや…っ」







「………」








なんで?







なんでそんなことおっしゃるんですか?






市丸隊長も居なくなるですね



そうやって僕のまえから居なくなってしまうんだ







「いやです」







いやだいやだいやだいやだ






もうてばなさないってきめたんだ






もうひとりはいやなんだ







かいほうしたら…ほかのひとといなくなるんですか?ぼくのまえからいなくなるんですか?どこかのきれいなかたといなくなっちゃうんですか?いやです、ゆるさないそんなのゆるさないいなくならないでくださいいかないでくださいもういなくなるのはいやなんですみたくないしばいばいとかききたくないんですだからってむだんでいなくなるなんてゆるさないいかないでくださいいやだいやだいやだいやだ




(僕を好きだと言うのなら)
どうかひとりにしないで…。











(いづる、いづる)
(ボクは居らんならんから)
(せめて壊れてしまいそうなお前を抱き締める自由をボクにちょうだい)



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ひらがなイヅル可愛いよ可愛いよ
イヅギンイヅ…ギンもイヅルも監禁癖ありそう…´`




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