「――…ッあ…イヅ、何で…っ…」
「…っだッて……や、ぁ…一緒にっ…」
硬く反り上がった性器からゆっくりと頭を離したイヅルを恨めしげに見下ろせば己と同じく限界が近いのか目尻を真っ赤に染め上げ瞳いっぱいに涙を浮かべながら懇願する恋人の姿。
快楽を求め擦り付けていた敷き布団の一カ所はたまらず垂れ流した透明の体液により湿り気を帯びており、それが如何程までに欲情していたかを物語る。
自身の快楽に溺れていたギンはその様子に小さく「堪忍な?」と囁くと這いつくばった華奢な体を抱き起こし優しく布団に押し倒す。
そのまま覆い被さった体勢で己の指を口に含み十分濡らし終えてはその指先を今か今かと待ち望んでいるであろう蕾へと擦り付けゆっくりと一本を中に埋めていく。
「…ん、ひァ…たいちょ…ッ…」
「此処こないヒクヒクさせて…こっちももう真っ赤に腫れとるやん……ボクのん舐めるのそんなに興奮したん?」
根本まで挿入した指を入り口を解すよう四方八方に優しく擦り動かす。
その弱い刺激にさえ腰を震わせるイヅルは最早羞恥などという感性さえないように小さな喘ぎを漏らしながらギンの問い掛けに素直にこくこくと応える。
そんなイヅルを可愛いなどと思いつつ暫く馴らすように指を動かしたり本数を増やしたりして入り口を解きほぐしたギンはゆっくりとその指を引き抜くと代わりにいきり立つ自身の欲情をその入り口へと擦り付けた。
「…ほらイヅル…ちゃんとどうしてほしいか言うてみ…?」
「――…あ、ンっ…ソレっ…隊長の、硬くて太くて逞しい…ので、ッ淫乱な僕のお尻の穴…ぐちゃぐちゃにして、くらさいぃっ…」
擦り付ける先端を早く迎え入れたいと言わんばかりにヒクヒクと蕾を痙攣させ脚を開き、身を捩り白い布団の上淫らに乱れた金色に欲情を駆り立てられる。
「―――………上手言えたなァ…ほなしっかり味わい…ッ…」
「……ッ…ンあァっ…!」
添えられた手により体重を加えた其れは一気に直腸を突き上げる。
激しい締め付けと突き上げに互いに顔をしかめ苦しげに呼吸を乱しながらも強い快楽を知った体はもう止まる事を知らぬようにただ欲望のまま突き動かされる。
「んくッ、あァっ…隊長ッ…ぅあっ…」
脚裏を持ち上げられ、抜けてしまうのではないかという程に引き抜かれては一気に最奥へと突き上げられる。その激しすぎる行為に先程限界が近かったイヅルは反り返る物をびくびくと震わせ最早達してしまいそうになり背を反らし体中の筋肉を強ばらせる。
その様子に状況を理解したギンは相手の反応が強い一点を狙い攻めるように腰を揺らしだす。
「…ひぃッ…ああ…あ、くぅ…イっちゃッ…僕イっちゃうぅ…!」
華奢な体を揺さぶられガクガクと内股を痙攣させだしたイヅルは最早限界と言わんばかりに体を仰け反らせ足の先をぎゅっと丸めるようにしながら高まった欲望を解放しかける……も…。
「―――……ひぎッ!あ゛ぁ…何ッで…っ…」
今まさに欲を吐き出そうとした刹那、ギチリとキツく握られた性器の根本。
吐き出す筈だった欲はその細い指により阻止されイヅルはただ体中を小刻みに痙攣させる。
「あかんなァ、忘れたん?一緒にイキたい言うたんイヅルやろ?」
不適な笑みを浮かべた其れは痛々しいまでに腫れ上がった性器をしっかり握ったまま再び先程から攻め立てていた弱い一点を攻めるように腰を激しく揺さぶりだす。
「…ひ、ぃッ…ぁぐッ…」
体を揺さぶられる度に吐き出したくなる欲。しかし其れを阻む指はキツく思い通りにはならない。いっそ気を失えれば楽なのだろうが下半身の其れは酷く苦しく痛みを抱き、同時に突き上げられる度繰り返す強い快楽が現実から目を背く事さえ許さない。
イヅルは最早喘ぎというよりは悲鳴に近い声を上げ、狂ったように目を見開き口端からはダラダラと唾液を滴らせながらただただこの行為を継続させる相手の絶頂だけを待ち続ける。
「ン、ぁッ…あかん、そろそろ限界や…」
そんな狂った恋人の姿に欲を駆り立てられたギンの下半身は強い締め付けも重なり先程逃した絶頂感に再び襲われる。
「っ…イヅル、いっぱい我慢したご褒美や…ッ…ちゃんと受け止めてやっ…」
言うが早くラストスパートをかけるように激しさを増した突き上げに欲を制限された体は幾度目かの絶頂を迎える。
そしてその締め付けによりガンガンと腸内を突き続けていたギンも絶頂へと誘われイヅルの体内へと自身の欲を吐き出すと同時に締め上げていた指をやっと解いてやる。
「…ぁっ…あ゛あッ…ゥ…ァひッ…ぃ…いァッ……」
唐突に解放された欲望。
それはあまりに長い時間攻められた為にまるで壊れたようにびゅくびゅくと欲を吐き出す。
イヅルは体を仰け反らせ白目を剥きただか細い喘ぎを漏らしながら白く濁った其れに混じり透明なさらさらとした液体を性器から垂れ流し自身の体を汚していった。
(…嗚呼、この子潮吹いとるわ)
目の前の光景に妖笑を漏らしたギンは解いた指で欲を吐き続ける性器を優しく握りゆるゆると扱いてやる。
その度口からは最早言葉にならない声が漏れ細い体は大きく跳ねて反応を示した。
暫くし体は僅かに痙攣したままではありながらも漸くその行為が止まったのか下半身の熱が冷めぐったりと体を横たえるイヅル。
その姿を満足げに見つめつつ腸内で欲を吐き出し硬さを失った性器をゆっくり引き抜いたギンは労うように汗で額に張り付いた金糸を優しく避けてやる。
「――…誕生日なんに意地悪し過ぎてしもたわァ…堪忍な?」
申し訳なさそうな謝罪とは裏腹に口端をつり上げ笑みを浮かべたギンはそっと紅潮し続ける頬を撫でてやる…も声も発しなければピクリとも動かない恋人の様子に気付いたギンはその姿をきちんと視界におさめる。
(――……あかん、気ぃ失ってはる)
小さく漏れた苦笑。
それと同時に少なからず感じた罪悪感に一旦その場を発つとお湯で湿らせた綺麗なタオルを用意し謝罪の代わりに汚れた体を拭ってやり別に布団を用意する。
まだ誕生日プレゼントあげてへんしおめでとうも言うてへんのに…などと呑気に考えながら綺麗になった体に着流しを着せてやっていれば腕の中から小さく聞こえだした寝息。
先程とは違い心地良さそうな表情を浮かべ眠るイヅルの姿に困ったような笑みを零したギンはそのままその愛しい子を腕中におさめ一人用の小さな布団の中、静かに眠りに落ちた…。
ズキンッ、と体に走る痛み。
ガンガンと痛む頭。
陽が昇ったばかりなのであろう、薄明かりの射す室内で襲う酷い二日酔いと体のダルさにより、イヅルは重い瞼を開けた。
暫くぼんやりと定まらぬ思考回路にただ痛む頭を押さえ微睡んでいればふと気付く隣の温もり…。
(…僕昨日お酒飲んで、えっと…それから……――)
スヤスヤと心地良さそうに隣で眠る狐を余所にゆっくりゆっくりと記憶を辿るイヅル。
(…………)
はっきりではない。
途切れ途切れではあるも思い出した昨晩の出来事。
密着した体に着流し越しに伝わる温もりを一瞬でも心地良いと感じた自身を後悔し、隣で眠る銀色をギロリと睨む。
(据え膳食わぬはなんとやらと言いますがあの状態でよくも…)
小さく芽生えた復讐心と強い羞恥心にとりあえず叩き起こして説教を…と片手を布団から引きずり出した瞬間――――絡まるように繋がれていた指に見えたのは…金と銀に輝くお揃いの指輪。
…………。
「――……はぁ………まったく…」
重く深く吐かれた溜め息。
空いている片手を額に乗せたイヅルは不服げに、しかし何処か照れくさそうに唇を尖らせた。
(許すのは…今回、だけですからね)
乗せた手の隙間から僅かに送った視線をさっと逸らしたイヅルはその気恥ずかしさを紛らわせるように隣に眠る恋人の胸元に抱き付き再び重い瞼をゆっくりと閉じた。
両手いっぱいの愛を君に
(君の生まれた日を祝おう、沢山の愛と沢山の感謝を込めて)
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……無駄に長くなり過ぎたッ!!(笑)
イヅルんお誕生日おめでとうデス*´`*
長々書きながら最後ごろ雑な内容でスンマセン←
とりあえず、誕生日に間に合って良かった*
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