ウチの副隊長はんはホンマ真面目な子です。
仕事終わって自室に帰っても、仕事持ち帰ってやってはるんやもん………まぁ其れボクが滞納した書類なんやけど。
「…なぁイヅルー」
「……何ですか?」
「お風呂まだ入らへんの?」
「あー…あとちょっとなんで…隊長先入ってきていいですよ?」
真面目なんはエエ事や………ただな、ただ…ボクと話してる時くらいは書類から顔上げてほしいとか思うんよ。
イヅルはいっつも真面目なんよ。
真面目で全部全部一人で背負おてまう。
今かて、ボクに手伝え言うたらエエのを一人で片付けようとして…。
「………イヅル…」
「――わっ、た、隊長?えっと…何ですか?」
一心に書類整理をこなす吉良の背後に歩みよれば華奢な背中をそっと後ろから抱き締める。
「………なぁ、もっとボクん事頼ってぇな…もっと沢山甘えてエエんよ?」
振り向いた顔ははじめこそ意味が解らずきょとんとしていたものの次第に理解したのか僅かに困ったような笑みに変わる。
(嗚呼、ボク今イヅルに我が儘言ってしもたやろか…?)
抱き締める力を緩める訳でもなく、ぼんやり考えながらも腕の中の愛しい温もりを心地良く感じ甘えるように身を寄せていればふと微かに筆を置く音が耳に届き顔を上げた。
Hey, carry me!
「ねぇ、だっこ!」
(振り向き様、遠慮がちに呟いた顔はまるで林檎のように真っ赤になっとって…そないな君の姿を不覚にも可愛いなんて思ぉてしもた事はそっとボクん中の秘密にしておこう)
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最近僕の中のイヅルがそこいらの乙女より可愛いキャラになってる気がする…。
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