そっと触れ合った唇に堅く瞼を閉じる。
ほんのり赤く染まった顔、唇が離れた瞬間クスクスと笑う貴方に小さく抱いたのは復讐心。


いつだってそう。


僕がすぐ恥ずかしがる事を知ってて廊下で抱き付いたり、食堂で"あ〜ん"とかしてきたり…共同浴場でなんて周りに人いるのに湯船の中で……―――ッと、兎に角…いい加減仕返ししなきゃ僕の立場がない!…気がする(弱気だな僕…)


「……イヅル、まだキス慣れんのん?また真っ赤っかやん」


からかうように赤く染まった頬をふにふにと突つかれ不服げに頬を膨らす。
そんな様子にまた小さく笑いを零らしたかと思えば耳元に唇を寄せられ囁かれる低く甘い言葉――





「……イク時とかあないにキスしてってせがんでくるんにね…」





――――ッ!


遂に顔を真っ赤に染め上げた僕を見て愉しそうに笑う。

その姿に強い羞恥と悔しさを感じ、どうにも上手く言い返せず赤い顔を隠すように弱々しく俯くとその様子に座る布団から僅かに腰を上げ顔を覗こうとする貴方。




……僕だって…





―――ガバッ!





多分突然だったから。

僕より強くて体つきも良いのに簡単に押し倒された貴方はきょとんとした表情を一瞬見せるもまた直ぐ愉しそうな笑みを浮かべた。


「……どないしたん、イヅル…今日積極的なん?」


「僕、だって……っ…」



僕からそっと重ねた唇に、結局また顔を真っ赤にしたのは僕自身で。
澄ました表情の貴方にやっぱり適わないななんて思ったりして…。








I wanna suck yours.
貴方のものを舐めたい

(好きな子程虐めたい…たまには僕だって貴方の表情揺らぐ姿を見たいんです)



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"貴方のものを舐めたい"=いつもからかわれてるのが嫌なイヅルの小さな主張。
"もの"っていうより"事"って感じで…決して性的な意味でなくです…………まぁ、最終的に"舐めさせられた"かもしれませんが(爆



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