密室された書庫。射し込む陽の光に目の前の人物を確認する。
床に散乱した書物。
背中に感じる僅かに鈍い痛み。
不意に本棚へと抑えつけられ密着し合った箇所は熱く、互いの熱に煩くなった鼓動が相手に聞こえてしまうのではないかと思えば不服げな表情の吉良はほんのり頬を赤らめた。

「―――……避けて下さい、こんな所でサボって…ほら、戻りますよっ」

高鳴る鼓動を誤魔化すように目の前の相手を睨みつけ何とかその場なら抜け出そうと足掻いてみるものの背には本棚、目前にはニタリ笑顔の上司とくればそれも叶わず虚しい抵抗とわかりながらも懸命に胸元を押し返してみる。

「遊んでる暇、無いんですっ…早く戻って書類を―――ッんん!」

ビクともしない目の前の壁に抵抗を諦めるも執務室に残した仕事に早くこの場を切り抜けなければと顔を上げた……刹那、舞い落ちたのは噛み付くような口付け。

不意な行為に一瞬思考が止まるも角度を変えながら続く其れに流石に頭が理解し顔を真っ赤に染めては胸元を叩き抵抗する。
けれど止める気など無いのであろう彼は半ば無理矢理に舌を差し出し呼吸の為に開きかけた口内へと其れをねじ込む。
荒々しく続く口付け、乱暴に荒らされる口内、無理矢理絡まされた舌。

口端からはどちらのものともわからぬ唾液が滴り落ち、脳内は酸欠により痺れをきたす。

呼吸のままならぬ行為に次第に意識さえ朧気になりだした吉良は身体の力が抜け崩れ落ちかける……とその様子に気付いたのか慌てて唇を解放した市丸は己の欲を無理矢理押し付けた相手に対し流石に僅かながら申し訳なさを感じ心配した表情を浮かべつつ今にも倒れてしまいそうな華奢な身体を抱き寄せ支えた。

「――――…ッ、はぁ…死因が隊長なんて…笑えません…」

解放された唇は必死に酸素を求めながらも珍しく心配する相手の表情に気付けば怒るに怒れず困ったような笑みを浮かべ吉良は優しく己を支える相手へと抱き付いた。

その様子に安心したのか普段のニタリとした笑みに戻った市丸は再び、今度は優しい口付けを落とす。

ほんのり赤い頬、絡められた指先、優しく重なる唇……――





こいあそび
(……それはまるで無邪気な子供の戯れ)



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要は接吻を書きたかったっていう突発的なアレ(笑)



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