「隊長さん、ボク海賊王になるねん!」

暖かくまさに昼寝日和というような天気の良い昼下がりの五番隊隊舎にて一冊の本を抱えた五番隊三席であるギンは己の上司、平子に大いなる野望を宣言した。


「――……阿呆、漫画の読み過ぎや。此やから餓鬼はあかんわ…読書週間っちゅうんは書物を読んで色んな事を学ぶ大切な期間であってやなァ…」

「せやからボク今真剣に海賊の知識学んでんねん、仲間集めてわんぴーす云う宝探しだすねん!」

夢と希望に細い目を輝かせるギンに完全に呆れかえり溜め息を漏らす平子隊長。

「あんなァ…そないな漫画読まんと俺みたいにきちんとした書物読んで現実見ぃや?そない絵ばっかりのモン読んでもなァんの知識にも………あ…」

隊首席に座る平子は片手で頬杖を付き、眉を顰めながらもう片手に持つ書物の表紙をギンに見せるように持ち上げかける……も、不意にその書物の間から別の書物が現れ床に落下した。



………………。



「……………隊長さんの謂うてはる現実っちゅうんはデッカい乳した裸の女の人の写真見る事なん?」

「…此はやなァ…………男のロマンや」

「…せやかてその本漫画より文字無いやん」

「わかっとらんなァ、ただ写真見とるだけェ思ぉとったらあかんねんで?…写真の向こうに見えるピンク色の世界を脳内で膨らませていく事により脳が活性化されてやなァ…」


「――…平子隊長、ギンに変な事を教えないでいただけますか?教育に悪いです」

不服と謂わんばかりに頬を膨らせるギンに対し"男のロマン"を真剣に語る平子…その雑音に静かに書物へと目を通していた五番隊副隊長藍染は溜め息を漏らしながら顔を上げ呆れ果てたような表情を向けながら声を掛けた。

「そもそも平子隊長は変態過ぎです、そんな物ではなくちゃんとした書物を…」

まるで子供を窘めるかのように言葉を紡ぐ藍染に平子は眉間の皺を濃くさせた。

「……そない謂うて…自分何の本読んでんねん…」

睨みつけるような視線を藍染の手にある書物へと向けた平子は己を窘めるような発言を紡ぐ相手に其れを確かめるように声を掛けた。




「――…これですか?これは…」



真面目な雰囲気を纏う藍染の手中にはその容姿にそぐわぬピンクと紫色の書物…そしてその表紙には"美少年狩り〜目眩く肛虐の世界〜"という卑猥な文字が…。



禁断の読書週間
(――…自分が一番教育に悪いわハゲええぇぇっ!!)(…僕は多毛です)(ほなボクちょおわんぴーす探しに行ってきますわぁ)



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管理人の中での旧五番隊の日常風景…きっと藍染が一番変態です(笑)



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