「あー! 隼人!」
「んだようっせーな」
自分の彼氏である銀髪に整った顔の少年──もとい獄寺隼人は不機嫌な表情で振り向く。
彼は煙草を吸っていた、それが自分の家の中ならまだしもここは名前の家だ。
「いい加減私の家で煙草吸うの止めてよ!」
「あ?」
「煙草の匂い消すの大変なの!!」
そう、家の中には煙草の臭いが充満し、そのおかげか名前の部屋からいつしか煙草特有の臭いがするようになったのだ。
「別に良いだろ」
「良くない!」
名前は強く否定し獄寺の頭を叩く。叩く、と言っても所詮女の力──獄寺は煩わしそうに眉をよせただけだ。
「たっく…何でそんなに嫌なんだよ」
「だって…煙草は身体に悪いし……隼人も死んじゃうかもしれないんだもん」
切な気に歪む名前の顔、獄寺はそれにハッとして名前をそっと抱き締めた。
「俺は死なねぇから、お前を残してなんて死ねねぇ」
「うん…っ」
自然と声が上ずる、獄寺の死に様を想像してしまい涙が零れてきてしまう──
「あ゙ー…悪かったって」
「…っ、ばか」
目尻に溜まった涙を拭ってやると名前はややあって自分の首に腕を回す。
そんな名前に苦笑して名前の頭をそっと撫でた。
「俺は死なねぇよ、お前のために死なない」
「ん…うん」
名前の唇に唇を重ねる、甘く柔らかな唇の交わりはどんどん深くなっていった──
「名前」
「隼人!」
学校の帰り道を歩いてるいると獄寺に話し掛けられる、名前が獄寺に駆け寄ると獄寺は名前の頭を撫でた。
「あ、また煙草の匂い」
「良いだろ別に」
「………」
獄寺の言い方に眉を寄せるがまあ仕方ないか、と半ば呆れ気味に溜め息を漏らす。名前は踵を返しまた歩き出そうと足を進めた──つもりだった。
「きゃっ」
獄寺が名前の腕を引っ張ったおかげで名前の身体はバランスを崩しそのまま獄寺に倒れ込んだ。しかも獄寺はまた煙草を吸おうとしている。
「な、何やってんの!?」
「マーキング」
「はあ?」
獄寺の言っている意味がわからず思わず頓狂な声を出すと獄寺は名前の鼻をプニと掴んだ。
「マーキングの意味も知らねぇのか?」
「それくらい知ってますー!」
鼻を摘ままれているため鼻にかけた声しか出ない、名前が獄寺に舌を出すと獄寺な意地悪く笑い唇を重ねようと……
「駄目っ、人が!」
「んなの気にすんなよ」
「ん…っ」
唇に触れた熱い熱、その熱は名前を浮かし名前の意識を奪い取るように名前を犯していく
「っ、はあ…」
「こっちのマーキングも良いな」
「…馬鹿」
潤んだ瞳で睨み付けても逆効果だとわかりきっているのでわざと顔を背ける。
「もしかして…私の部屋で煙草吸ってたのも?」
「気付くのがおせー、ちゃんとマーキングしろよ」
唇を歪めて笑う獄寺があまりにもかっこよくて頬を赤らめた、そしてゆっくり頷くと獄寺は再び名前に優しいキスを送る。
「愛してる」
「私も…」
互いの唇に残る熱い温もりは互いへのマーキングの証。
俺の匂いをしっかりマーキング
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