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世界が濁った気がした (1/4)


俺等がいる事に不機嫌そうな顔をする幸村だったが、悠凪に手招きをされると普通に笑みを浮かべた。



「悠凪が俺を呼ぶなんて珍しいね。なにがあったの?」

「精市にみてもらいたいの」

「いいけど、なにを?なんかの勉強?」

「いや、ちょっと待ちんしゃい。悠凪、ちゃんと幸村に説明してからじゃ」

「うん?わかった」



不安そうな赤也にいいか?と目配せするとよくわからないと言った様子で悠凪を見つめるが、悠凪はニコリと笑うだけだった。

しかし悠凪に手招きをして頭を撫でられると、よくわからないけどいいッスみたいな感じで頷いた。

そんな様子を見ていた幸村は、かなり不機嫌になにが?と言わんばかり睨んでくるので早いとこ説明を済ませる。


時折、へぇ…とかふーん…とか相槌を打ちながら赤也を見ていたが赤也がビクビクしててなんか可哀想じゃった。



「ふふっ…それで俺を呼ぶなんて随分と偉くなったなぁ。仁王も赤也も…」

「いや、呼んだのは悠凪ぜよ」

「精市?みてくれる?」

「まぁ、いつかは見せてもらうつもりだったからね。今すぐやる?」

「え、ちょ…俺にも説明して下さいよ。全然話に付いていけないんスけど…」



俺達の顔を忙しそうに見る赤也に悠凪は、大丈夫だよ?と言うがなにが大丈夫なんじゃって話ぜよ。

まぁ、赤也にはあんまりこっちの世界の話はしたくないんじゃがなぁ。

吸血鬼と言ってもほぼ人間じゃし。なにより、赤也はバカじゃから口を滑らせたら困るしのう。

まぁ、赤也がエクソシストに狙われる事はないとしても柳生達からしたら複雑だろうしのう。



「うーん。じゃあ簡潔に説明するよ。俺は、死神だから魂に触れるとヒストリーログが見られるんだよね」

「えと…ヒストリーログってなんスか?」

「赤也は、本当になにも知らないんだね。まぁ、魂の記憶って感じかな」

「でも魂に触れるって…大丈夫なんスか?」

「うん、別の問題ないよ。それに死神は死者の魂を回収する時に絶対に見なくちゃならないから」



仕方ないなぁ…と言いながらも結構細かく説明をする幸村に必死に理解しようと真剣に話を聞いている赤也。

悠凪は、その隣でなにをする訳でもなくただボーッとしていた。

まぁ、悠凪はヒストリーログを知ってたからのう。死神の知識はあるんじゃろう。


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