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それは生きる毒のように (1/3)


───俺は、ただいつもの様に自分の欲するままに欲を満たすだけ。

その繰り返しだったはず。


◇◆◇◆◇


「お、仁王!おはー!」

「ん、おはようさん」

「てか、お前また朝練サボったのかよ?」

「朝が弱いんじゃ。起きれた時は、ちゃんと参加しとるぜよ」

「いや、赤也を見習えよ。遅刻しても来るぞ、あいつは」



体のダルさに自然と足取りも重くなる。そして教室に入ればブンちゃんが俺に気付いて近付いてくる。

その手にはポッキーが握られてほんのりチョコの甘い匂いがして、なんとなく1本貰う。

そして朝が苦手であまり朝練に参加しない俺に真田からどやされるから明日は来いよ。と言う忠告をする。

しかし赤也みたいに遅刻してまで行く気にはなれん。どうせ真田に怒られるだけじゃし。



「明日は、出るぜよ」

「お前の言葉は、信用出来ねぇーからなぁ。まっ、怒られんのは仁王だからいっか!」

「遅刻したらブンちゃんのせいにするから任せんしゃい」

「なんでだよ!?」

「まぁ、明日はちゃんと起きるから大丈夫じゃ」

「ったく、お前のせいで俺等まで放課後しごかれるんだからちゃんとしろよな」



そう言いながらポッキーをポリポリと頬張るブンちゃんは、俺の心配よりも自分の保身らしい。

まぁ、真田と幸村のしごきは地獄じゃからのう。しかもそれが機嫌が悪いとなると更に酷くなる。

誰も逆らえないから結局は、やるはめになるんじゃが。理不尽にも程がある。



「あ、そうだ。柳が言ってたんだけどさ、今日転校生来るらしいぜ」

「ほう?参謀が言うならそうなんじゃろうな」

「仁王は、女と男どっちだと思う?」

「そりゃ、女の方がええのう。男に興味はないんでな」

「だよな!それで可愛い子なら文句ないんだけどよ」



それにしても、この時期に転校してくるなんて変じゃな。家庭の事情と言われたらそれまでじゃ、先週始業式(入学式)があったばかりだ。

なら始業式に合わせてもよかったんじゃなかろうか。

まぁ、別に関係ないが。


そんな事をブンちゃんと話していると暫くして、担任が教室に入ってきてブンちゃんが自分の席へ戻った。


そして担任のどうでもいい話を軽く聞き流しながら俺は、ボーッと窓の外を眺めていた。


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