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ないしょといっしょに (1/4)


───俺と同じ血の匂いがした。


今、俺は公園で悠凪先輩を待っている。気になる事と言うか、確認したい事があったからだ。


───
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いつもの様に先輩達と楽しく昼飯を食べてたんだけど、たまたまパンの袋で悠凪先輩が指を切った。

それに気付いた俺は、すぐさま手を取った。その瞬間にザワリとした感覚に体が身震いした。



「…赤也?舐める?」

「なっ…!」

「ん、ないしょ」

「───っ!」



悠凪先輩の指からぷっくりと滲み出た血を見ていたらそんな事を言われた。

そしてニコリと笑ったかと思うと悠凪先輩の指が俺の口ん中に入ってた。

恥ずかしさと焦りですぐに悠凪先輩の指を抜いたが、それ以上に体がおかしかった。

ドクンッ…ドクンッと心臓が嫌な音を鳴らす。



「悠凪先輩っ…」

「ないしょ?」

「先輩って」

「なーにしてんだよい!」

「ん?ブン太?」



危なかった。
焦りと驚きで危うく口に出しそうになった言葉にまた心臓が嫌な音を鳴らす。

むしろ、身体中が反応している。

口は、悠凪先輩の血のせいで若干鉄臭い。だけど、それだけじゃなかった。

それは、もう疑いじゃなくて確信で。もう一度悠凪先輩を見るとニコリと優しく笑うとまた丸井先輩と話し出した。

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───


ずっと決心が付かなくて、でも聞かなくちゃダメだと思って悠凪先輩に電話をした。


もういい時間だ。


なのに悠凪先輩は、今行くから待ってて?といつもの声色で言うと電話を切った。


そして冒頭に戻る。


待ってる間も心臓がうるさいし。会ったら会ったでなにも言えないんじゃないのか?とか不安でちょっと心が折れ掛けてる。

いやだってよぅ…
どうしたらいいんだし!
他の先輩には、相談出来ないし!むしろ、相談なんかしたら俺色んな意味で終わるし…。


それは、絶対嫌だし…。




「赤也?」

「わっ!?悠凪先輩!」

「うん?来たよ」

「あ、いきなり呼んですいませんッス…」

「ん?いいよ?」



キョトンとした感じで頭を傾げるとゆっくりと悠凪先輩がベンチに座ったので俺もゆっくりと先輩の隣に座った。


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