変わらない希望 (1/2)
あのエクソシストの集会がルシファーに襲撃された事は、世間ではガス爆発だとかなんだとかで…余り公にはならなかった。
そして、悠凪を巡ってのエクソシストの研究所での争いは、ちゃんと結界があったから特に公にはならなかった。
まぁ、中身はルシファーが派手に壊したからとんでもない事になってるけど。
「…ん、精市?どうしたの?」
「ちょっと先輩達、置いて行くッスよ〜!」
「…相変わらず、赤也は元気じゃな」
「あいつ、遅刻して来たクセになぁ〜」
「今日が楽しみで寝れなかった可能性99%」
「ほぼ、100%じゃねぇか」
「ふふふ、俺も楽しみにしてたよ」
あの後、正式に跡部がエクソシストの最高位になって俺や仁王…悠凪や赤也の為に色々としてくれた。
もちろん、俺も死神の最高位のままだけど。
そして赤也がまだ力の制御が下手だから悠凪の力で抑えられてるくらいで、前と余り変わらない。
いや、かなり変わったかな…ブン太や真田、柳が俺等が人間じゃないのを知ってるって事とか。
それと柳生と悠凪がしくよろした。最初は、柳生は戸惑ってたけど…今は悠凪に敵意を向ける事はなくなった。
「跡部から連絡ぜよ」
「なんだって?」
「明後日、集会じゃと」
「ん、わかった。参加は?」
「全員じゃと」
「…跡部は、俺等をなんだと思ってるんだか。まぁ、別にいいけどさ」
「…随分と跡部は地獄耳じゃな。お前等は、俺様達の希望じゃと」
「ハハハッ、跡部が気持ち悪い」
跡部は、エクソシストの最高位として活躍しているが…前みたいに実力行使だけではなく、人間も人外も共存出来るんじゃないかと…訴えている。
もちろん、過半数から有り得ないと批判されてるけどね。そりゃあ、悠凪みたいな人外が珍しいだけで…正直、悪魔はやっぱり人間に害しか与えないからね。
でも俺も跡部と一緒で共存出来たらとか夢みたいな事を思ってる。だって、現に悠凪と赤也はこうして俺等と一緒に何事もなく過ごしている。
「悠凪、日差し強いけど大丈夫なのかよぃ?」
「んっ…大丈夫。ブン太は暑そう…だね?」
「あちぃよ!汗だくだくだよぃ!」
「だくだく?ん〜だくだく〜」
「なんだその動き…可愛いな、おい」
「弦一郎…だくだく〜?」
「丸井!悠凪に変な事を教えるな!」
「真田は、悠凪のおとんか!」
それにブン太や真田、柳はエクソシストの血筋ではないけど…なにかあった時の為と稽古を付けている。
悠凪は反対してたけど、お前に守られてるだけは嫌だとブン太が譲らなかった。
まぁ、あんだけ暴れてた訳だしそれなりに戦闘の才能はあるみたいだからね。てか、悪魔を殺せる魅魂持ちとか悪魔からしたら恐怖でしかない。
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